ハーレー 腰下エボのショベルヘッド チョッパーカスタム

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD
BIKERS DREAM

June 24th, 2017

松コースでご案内の
エンジン一本勝負

今年の4月より代表月岡さんの元でリスタートを切ったバイカーズドリームだが、こちらは初代店主の高相さんが手掛けた一台である。で、端的に言うと、注目すべきはエンジンにあり。

クランクケースはエボリューションで、そこから上のヘッド周りにS&S製ショベルヘッドを使ったスペシャルだ。なんでも、何も知らないお客さんがどこかで掴まされた車両だったらしく、どうにもこうにも調子が出ない。途方に暮れていたところ辿り着いたのが同店で、内部をバラせば普通に走るはずのない無茶苦茶な状態だったと言う。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッド チョッパーカスタム

「お客さんにどうするって? エンジンを丸々換えるか、これを使って仕上げるか。簡単に言うと、松竹梅で金額を提示したんだけど、そのまま一番高いやつでお願いしますってことになったの(笑)」

そこからが大変である。なんせ傍にいる誰もチャレンジしたことのない未知なるセットアップ。当時は、クランクがエボでヘッドにショベルが一番良いエンジンが出来るんじゃないかというマユツバ的噂はあったものの、立証はされていない。しかし舵を切った以上進まないわけにもいかず、まるで暗闇に飛び込むかの心境のまま手探りで作業は進められた。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッド チョッパーカスタム

「自分の中でこんな感じでこんな角度かなとか、いろいろ考えて削ったりしたよ。タペットの角度変えたりとか、ローラーとカムの角度もあるしね。高さだってあるからもう想像力を目いっぱい使ってやった。あとは当時流行ってたアーマープレイティングとか、ニカジルメッキをかけてWPC処理とかね」

ハーレー 腰下エボのショベルヘッド チョッパーカスタム

難題に気を取られ過ぎることなく、フリクションを低減させてパフォーマンスアップを図る王道のチューンナップも怠らない。いかなるシチュエーションにおいても全体に目を配れる広範なキャパシティは、歴戦のビルダーゆえのものだろう。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッド チョッパーカスタム

お次は、外装である。オーナーの希望する形に仕上げたフォルムはライムグリーンに彩られ、その上に特徴的なスパイダーのピンラインがドロウ。シェイキン清水さんが担当したそれは、実際同店に足を運んでもらってその場の3人の思い付きで描かれたものだそうだ。結果、蜘蛛ばかりかハエが紛れ込んでるあたりに、当時のグルーブ感が現れている。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッド チョッパーカスタム

何はなくともエンジン。手探りで組んでいったと氏は言うが、その言葉を額面通りに受けてはいけない。つまりは、土台がしっかりした手練れのプロだからこそ為しえたエンジンワークだということ。そして、完成から10年が経つ今も、未だにノントラブルをキープする。

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD DETAIL WORK

ハーレー 腰下エボのショベルヘッドのフロントフォーク

FRONT FORK

高性能、高品質で知られたフォルセライタリア製フォーク。トリプルツリーはこのチョッパー用にワンオフ。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッドのフロントホイール

FRONT WHEEL

フロントはPM製19インチビレットホイールを装着し、ローター、キャリパー共に同社製。豪奢な選択である。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッドのガスタンク

GAS TANK

タンクはオーナーの勝負カラーだと言うグリーンに。蜘蛛の巣のピンラインはシェイキン清水さんによるもの。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッドのフットコントロール

FOOT CONTROL

ショベルの純正位置にPM製が付くようモディファイ。ステップとペグにミスミエンジニアリング製を合わす。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッドのマフラー

MUFFLER

マフラーもワンオフ。全体のデザインに合わせてアップスイープ形状とする。エンドキャップはVツイン製。

ハーレー 腰下エボのショベルヘッドのフェンダーステー

FENDER STAY

有機的に絡み合う丸棒を使ったフェンダーステーはスパイダーのイメージを踏襲したもの。手の込んだ部位だ。

BUILDER’S VOICE

BIKERS DREAM

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