YAMAHA SR400 1998
LAMP CYCLE
世界が愛した女の
プロポーション
『1:0.7:1』。女性の理想的なボディラインがこれに当たるそうだ。均整の取れたプロポーション。その黄金比的バランスの良さが、このSR400には垣間見える。
凝った造形や細部の作り込みではなく、マシンバランスが肝(きも)の一台だ。バイク好きであれば好みの差は当然あるが、きっとほとんどの人間がこのフォルムを前に難色を示すことはないだろう。なんせここにあるのは理想的なボディラインなのだから。
「昔の英車をイメージして製作した。お客さんがオールドトライアンフといった車種が好きな人で、街乗りでガンガン走り倒せるバイクが欲しいとのことだった。そこでSRを使ってそのテイストに仕上げました」
店主の松隈さんは張りのある快活な声量で、製作にあたってのポイントを語り、こう続ける。
「すごくコンパクトに作りたかった。そこでシートレールをどうしようかと、かなり考えました。結局全部作り直したんですけど、通常この部分はドロップさせる手法が多いんですね。でも今回は、メインフレームから真っ直ぐ持って来て、リジッド風じゃないですけど英車のイメージで作らせてもらったんです」
相変わらず柔和な笑顔を絶やさず、氏は見せ場となる部分について解説した。
前後ホイールはノーマルの18/18から19/16インチへと変更。リアを16インチのキャストにしたいという要望を受けて、ヤマハXS用を移植した。それに合わせてフロントは、1979~82年まで採用された当時のSR純正キャストを使用してガンメタにペイント。タンクはハーレー用のマスタングタイプの底板を切り抜いてハイトンネル化、フレームに深く覆いかぶさる形状にフィニッシュしている。
次にリアエンドである。フェンダーは純正を加工し、シート下の汎用電装ボックスはシートレールのデザインに合わせてモディファイ。ペイントは店主自らがワインレッドに塗ったパートである。「単色は自分で塗ることが多いですね。調色についてはお客さんの主張が強かったので、それに沿うように色味を見せながら塗り進めていきました」。
『1:0.7:1』を思わす理想的なボディライン。そしてそれを彩る、トーンを抑えたアダルトなカラーリング。フレッシュな感性を持つ店主がそんな黄金比を想像すらせずに、夢中で作った一台には、マリリンモンローや綾瀬はるかに象徴される、とんでもないボディバランスが潜んでいる。
YAMAHA SR400 1998 DETAIL WORK
HANDLE
ノーマルをショートカットして絞り加工。樽型グリップはグッズ製で、マスターはスクーター用を流用する。
GAS TANK
ハーレー用マスタングタイプを使い、ハイトンネル化。スキャロップのピンラインがアクセントに効いている。
SEAT
ドロップする手法が多い中シートレールはストレートデザインとされ、それに合わせソロシートをワンオフ。
REAR END
ショックは北九州のオートプラザウチ製。オイルタンクはモーターロック製を加工してジャストに収めている。
MUFFLER
形状を熟考の上、一度内側に入れて外に逃がすデザインとした。フレームに沿わせる角度が大変だったと言う。
REAR WHEEL
ホイールは純正の18からヤマハXSの16インチへ変更。ガンメタに塗装して足回りの印象を引き締めている。
BUILDER’S VOICE
LAMP CYCLE
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