BMW Motorrad G310R
WEDGE MOTORCYCLE
唯一のオファーを受けた
G310Rのデモマシン
BMW Motorradの最新モデル、G310Rのプロモーション用に製作されたデモマシンである。手掛けたのは東京多摩市のウェッジモーターサイクルで、担当者からの突然のオファーによりプロジェクトは一気に走り出すことに。製作期間はわずか2ヶ月半。
「純正のロードスポーツモデルとは180度違うデザインの方が面白味があるかなと。あとは乗りやすさだったり街中を走っても楽しいバイクということで、ストリートトラッカーのイメージがちょうどリンクした」
全体の研ぎ澄まされたプロポーションにスタイリッシュな色使いなど、見るほどに頭を抱えたくなるかの完成度の高さである。そして今回の見せ場は、純正のトラスフレームを使ったバランスの構築と、サスペンションの移設だ。
「最初はフレームを一から作り直そうとも思ったけど、それだとエンジンだけ使ったバイクになってBMW Motorradのコンセプトマシンとしてはどうなのかなと。それに実際にバラして見たらデザインが良かったんで、じゃあメインフレームの部分を残してカスタムしていこうと」
何せ初めて触るバイクである。蓋を開けてみるまでは一体どんなのが出てくるのか想像すら出来なかったと、代表の二平さんは言う。しかし、なんとかなるという自信とワクワク感だけは不思議とあったそうだ。メインのトラスフレームに合わせて、スイングアームや外装すべてはワンオフで形作られた。
そして、サスペンションの移設である。本来はシート下に収まるそれをタンク下に移動。これは、後方排気のマフラーデザインを活かすためで、そこにサスがあると一番の見せ場を隠してしまうからである。しかし結果的に、タンク下に移したサスはマシンのアイキャッチにもなり、また、シート下のテクニカルなリンケージを介して可動するという新たな見せ場をも作り上げている。
更に、このリンケージは任意で長さの調整が出来、車高調整が可能という難い仕組みが取り入れられたりもする。全体的な均整の取れたマシンバランスはおろか、こうした要所のディテイルワークを見れば、世界に名立たるメーカーが名指しでデモマシンをオファーした理由も分かるような気がする。
「製作期間がギツギツだったんで、バラしては考えて作って、考えながら次の物を作るという感じで、途中何がなんだか分からなくなるようなところもありましたね(笑)」
2ヶ月半という期間でフィニッシュしたG310Rのデモマシン。トラスフレームに後方排気のエキゾーストをセットした、前衛的なストリートトラッカーである。
BMW Motorrad G310R DETAIL WORK
FRONT WHEEL
ワンオフのスチール製ホイールは前後共に17から19インチへ。艶無しのザラついた質感にパウダーコートされる。
GAS TANK
スチールでワンオフしたタンク下にサスを移設。大掛かりなモディファイ箇所だが自然な形で収められている。
RADIATOR
タンク容量を確保するためフューエルポンプをフロントに外付けした為、それに合わせてラジエターを横へ移設。
LINKAGE
テクニカルなリンケージを介してサスが可動する作りとなる。任意で長さの調整ができ、車高調整が可能。
SWING ARM
トラスフレームに合わせて製作したスイングアームとステップ周りはワンオフ。落ち着いた色味も秀逸だ。
MUFFLER
後方排気のマフラーはステンレスでワンオフ。見せ場となるこの部位を際立たす為にサスをタンク下に移設した。
BUILDER’S VOICE
WEDGE MOTORCYCLE
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