HARLEY-DAVIDSON XLH1000 1980
EAST URBAN CUSTOM CYCLES
CRフレームがベストな
ストリートスクランブラー
1980年式XLH1000を使った『ストリートスクランブラー』。これは、この道30年以上の老舗ハーレーショップ、イーストアーバンにより製作されたものだ。スポーツスターのイメージが強い同店だが、ビッグツインも卒なくこなすショベルヘッド専門店である。また、代表の遠山さんはかつて、好きが高じて『スクランブラー』というオフ車専門店を本業の傍らで経営するほどのスキモノっぷりで、この手のスタイルは愛して止まないジャンルだ。
ベースとなる80年式アイアンショベルのフレームは、1979年~81年までの俗に言うCRフレームと呼ばれるもので、ちょうどKフレームからEVOフレームへの過渡期に採用されたもの。これは、XRやXLCRと同じような形状で、ハーレーとしては異質なものだったと言う。しかし逆に、ダートトラッカーや今回のスクランブラーを作る上では一番スリムで乗りやすく、ベストマッチするそうだ。
カスタムポイントは、軽快に走るストリートスクランブラーである。そもそもスクランブラーというマシン自体が、オン・オフロード問わず縦横無尽に走破するデュアルパーパスが前提である。1960年代から70年代にかけて未舗装路がまだ沢山残るアメリカで、フリーウェイを降りて整地されてないダートを駆け抜け目的地まで向かうという、ハードなライディングに耐え得るオールマイティーなスタイル。そしてこれは、その歴史的背景を踏襲したイメージで仕上げられている。
「この形はうちの得意なスタイルのひとつ。最初のハーレーとの取っ掛かりはチョッパーだったけど、何度か渡米していろいろ見たり、ダートトラックと出会う中で興味が湧いていった。あとは日本人の体形にも合ってるしね。カスタムの幅も広くて、軽いし速いっていうのが夢中になる理由かな」
横からのショットを見れば分かるが、若干ケツの上がった軽快なシルエットは既存のチョッパーとは一線を画すまったくの別物。そして、こうした変幻自在に姿を変える多様性こそがハーレーの懐の深さであり、面白さでもある。
スクランブラーを定義するときはハーレーやトライアンフ、国産問わずに、前後19/18インチが必須条件だが、今回の一台はまだそこには手を入れていない。タンクはオリジナルを60年代風にペイントし、ハンドルは同店で販売するスワローバーをセット。そして、リア周りはループバーをワンオフしてボルトオンで装着している。
「基本的に自分が作るスポーツスターのカスタムは、オリジナルフレームには手を付けない。それは、ビッグツインにはレプリカがあるけどアイアンスポーツの場合はフレームばかりかエンジンだって無いから。だから僕はいつも、とても大事に思って作ってる」
最終的にはノーマルに戻せるように。しかし、フォルムはしっかりと均整の取れたカタチに手を加えるというのが、同店のカスタムマナーである。
HARLEY-DAVIDSON XLH1000 1980 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルはイーストアーバン製のスワローバー。スクランブラーとの相性は良好。程よいワイズで操作性も高い。
HEAD LIGHT
マウントステーの造形に目を奪われるヘッドライトはベイツタイプを選択。ウインカーは社外のブレット。
SEAT
シートはイーストアーバン製のスクランブラーシート。HONDA製をモチーフに底板から作り直したものだ。
REAR SUSPENSION
リアサスはヨーロッパのヘイゴン製12インチを装着。この絶妙な長さが全体のスタイリングに貢献する。
MUFFLER
マフラーはブラックアウトしたショーティータイプをセット。比較的落ち着いたサウンドが紳士的である。
REAR END
ワンオフのループバーをボルトオンで装着。アルミフェンダーはクラックが入らないように慎重に加工される。
BUILDER’S VOICE
EAST URBAN CUSTOM CYCLES
住所 | 東京都目黒区八雲2-4-16 北 No.2 |
---|---|
電話 | 070-3310-3343 |
SHOP | EAST URBAN CUSTOM CYCLESのショップ紹介 |
営業時間 | 11:00 ~ 17:00 |
定休日 | 水曜日、第3日曜日 |