HARLEY-DAVIDSON FL 1969
SHOP SAMS
20年以上貫く
惚れ込んだスタイル
チョッパーファンであれば、すぐにどこのショップが手がけたものかが分かるバイクである。SHOP SAMS。活動の拠点を仙台から東京に移し、最近はサーフカルチャーとも密接にリンクする、国内チョッパーシーンを語る上では欠かすことの出来ない重要ショップだ。
1969年式のFLをベースに、全方位、サムズ節が炸裂。この手のバイクに傾倒するスキモノたちを根こそぎシビれさせるスタイリングである。見ていて飽きないし、作り手のブレないスタンスにどこかホッとする。そして何より、優等生とは対極に位置する『危うい雰囲気』がバンバンに出ているのだ。
これほど只ならぬチョッパーを製作するショップである。ビルダーの鈴木修氏もさぞかし血気盛んな人物だろうと想像するだろうが、全くそんなことはなく、淡々と手を動かす職人気質でありながらユーモラスをあわせ持った男である。
「まあ、毎回やってるカタチだよね。コンセプトとか聞かれても特になくて、自然とこうなる。もうだいたいやることは決まってるしね。タンクはスポーツスターかマスタングかピーナッツ。それをフレームにちょい載せして、マフラーはあのストレートパイプで、フロントフォークもたまにワイドはあるけどほとんどナローだし」
作業は決まっていると言うが、他人が真似てもこの独特の存在感を出すことはまず出来ない。例えスタイリングを模倣しても、尖った、たちこめるストリートの匂いまでは実現不能だろう。これはサムズでしか形成できないもので、言い換えれば、鈴木修氏が培ってきたバックボーンがあってこそのものである。早速その辺の話を振ってみると、やはりというか、らしいというか、鈴木氏ならではの返答が返ってきた。
「いや、なんだろう。誰でも作れるんじゃない? 作れるよ、絶対。だって死ぬほどシンプルだもん。毎回一緒だし。格好良い見本がとっくの昔にアメリカにあって、俺はずっとそれをやってるだけ。だからサムズスタイルというわけじゃないと思うよ。もう本当にスタンダードなフリスコスタイルをやっているだけだから」
骨格はパンヘッドのオリジナルフレームで、そこにショベルモーターを搭載。前後ホイールは21/18インチとされ、フロントフォークは長身のオーナーに合わせて4インチオーバー。マフラーはかつてのアウトローMCが好んだミッドハイのショットガンタイプでフィニッシュされた。
「俺のやってるバイクに作り込みとかは必要ない。ただぶっ壊れたりステーが折れたりしないようにはしてる。頑丈で乗りやすくて、ずっと乗れるようにということしか考えてないかな。あとはスパイスで、あぶねえ感じが漂えば完成というかさ」
フリスコスタイルに独自の解釈を加えて昇華。以来、20年以上ブレることなく貫き続けてきた不動のカタチである。安易に真似をしようとも、そこに付け焼刃のビルダーやポーザーの付け入る隙は微塵もない。
HARLEY-DAVIDSON FL 1969 DETAIL WORK
HANDLE
操作性、ライディングスタイル共に申し分ないハンドルバー。ジョッキーシフトゆえ左側はごくシンプルな装い。
FRONT WHEEL
ボトムケースをクリーンに加工。フロントは21インチで、チョッパーと相性良好なハンバーガードラムを装着。
GAS TANK
ピーナッツタンクを絶妙な位置にハイマウント。ロゴはカスタムペインターKEN THE FLATTOPによるもの。
FOOT CONTROL
鉄棒を使いシンプルな形状に製作されたフットペグ。扱いやすさを考慮してミッドコントロール位置に装着される。
MUFFLER
サムズの十八番的なミッドハイのショットガンマフラー。長さ、上下のクリアランスと、パーフェクトな形状だ。
REAR END
オリジナル販売のスティングレーフェンダーをワンオフステーで支持。荒っぽくも計算された部位である。
BUILDER’S VOICE
SHOP SAMS
住所 | 東京都目黒区碑文谷5-28-8 雅叙園碑文谷ドミトリー102 |
---|---|
電話 | 03-6421-1657 |
FAX | 03-6421-1657 |
SHOP | SHOP SAMSのショップ紹介 |
営業時間 | 9:00 ~ 19:00 |
定休日 | 月曜日 |