HARLEY-DAVIDSON XLH 1964
FLOCK MOTORCYCLE
トレイシー・ボディを使った
セブンティーズ・スタイル
1970年代に米国で販売されていたタンクとリアフェンダーが一体となった、俗に言うTRACY BODY(トレイシー・ボディ)。ダートトラックやチョッパー、カフェレーサー・スタイルに至るまで幅広く対応していた、今は無きマニア垂涎のオールドパーツである。カリフォルニア州サンタクルズのFIBERGLAS WORKS(ファイバーグラス・ワークス)というメーカーで製造されていたそれは、ハーレー用、トライアンフ用、HONDA CB用、KAWASAKI用と、それぞれの車種に合わせた商品がラインナップされていた。
そこで今回、このトレイシー・ボディを使ったカスタムを手掛けたのが茨城県古河市のフロック・モーターサイクルだ。「昔から一体感のある造形に惹かれていて、それは今も変わらない」と話す店主の後藤さんは、1964年式XLHをベースに使い、セブンティーズの雰囲気が色濃く漂う一台にメイクした。
車両を輸入してきた当初は、特別このカタチにしようと考えてはいなかったそうだ。たまたま店にあったトレイシー・ボディを使いカスタムは進められたのである。そのため、実はこのボディ・キットはXLH用ではなくトライアンフ用で、本来なら簡単に装着できるところだがそれなりの労力が要されたのだ。
「トレイシーのスタイルは好きですね。単純にカッコ良い。『どの辺が?』って聞かれると困るけど、昔からモールドの感じが気に入ってる。あとはポンッ!って終わるところ(笑)。まあ実際はポンで終わることはないんですけどね。フレームに載せるのはやっぱり何かと大変。当時は専用のマウントパーツも出てたんだけどすんなりとはいかない」
簡単に装着出来そうで出来ない。後藤さんは取り付けるまでのそんな過程を楽しんでもいるそうだ。
純正Kフレームは市販品のボルトオンリジッドでハードテイル化。純正のボラーニ製リムが使われた前後19/18インチのホイールサイズにジャストフィットしたボリューミーなボディがなんともグラマラスである。そして、その造形もさることながら、ブルーのフレイク塗装が効いた鮮やかなカラーリングもまた秀逸だ。ペイントされた状態で販売されるトレイシー・ボディゆえ、この色彩やグラフィックが’70年代当時のバイクシーンを現していると言えよう。
「ひとつずつペイントして売っていたみたいだから、それぞれに色味とかが違う。それもまたトレイシーが好きな点ですね。でも最近は結構知られるようになったから、値段も上がっちゃって昔ほどは簡単に手に入らない。もちろんこれからも良いのが見付かればやっていきたいですけどね」
シートもセットで販売されていたこのボディ・キット。見ての通り、その造形からは得もいえぬ存在感が力強く放たれている。時代を経ても尚輝き続けるオールドパーツの素性を余すことなく引き出したチョッパーである。
HARLEY-DAVIDSON XLH 1964 DETAIL WORK
HEAD LIGHT
サイドマウントのヘッドライトはBATES製。オールドパーツならではのスタイリッシュなフォルムである。
HANDLE
マシンバランスに合うミディアムエイプバー。実際に人が跨った時のライディングポジションも良い雰囲気だ。
FRONT WHEEL
19インチの純正ボラーニリムに、ヴィンテージパターンが特徴的なオールステートタイヤを履かす。
TRACY BODY
モールドと流れるようなラインに惹かれるトレイシー・ボディ。同系色のシンプルなグラフィックも文句ナシ。
SEAT
ボディ・キットとセットで手に入れたダイヤモンドステッチのハイバックシート。ちょうど良い背もたれ長だ。
MUFFLER
マフラーは奇をてらわずスタンダードなスラッシュカットタイプを選択。歯切れの良いサウンドが心地良い。
BUILDER’S VOICE
FLOCK MOTORCYCLE
住所 | 茨城県古河市西牛谷283-3 |
---|---|
電話 | 0280-23-1979 |
FAX | 0280-23-1980 |
SHOP | FLOCK MOTORCYCLEのショップ紹介 |
営業時間 | 11:00 ~ 20:00 |
定休日 | 火曜日 |