HARLEY-DAVIDSON FXS 1979
SUN MOTORCYCLES
4速ショベルで再現した
ヴィンテージボバー
国産アメリカンからハーレーまで、幅広くカスタムを手がけてきた広島サンモーターサイクルズ。ハーレーに関しては高年式やインジェクションのモデルを得意とするイメージが先行しがちな同店だが、実は旧車やヴィンテージスタイルもお手のもの。今回のマシンはそれを実証するかの一台だ。
「オーナーさんはサイドバルブ乗りだったんですが、次のバイクはセル付きサス付きで、かつよく走るバイクにしたいとのことでショベルに乗り換えられたんです」
そう話すのはサンモーターサイクルズ店主の立岡さんだ。オーナーの希望はボバーテイスト。FLHルックだったベース車両は随所にリメイクが施されることになった。
16インチのファットなホイールを履いていたフロントは18インチに変更。ファイアストンのブロックパターンがマシンに猛々しい印象を与えている。
「16インチの太いタイヤでいこうというプランもあったんですが、お客さんと話して、より細身な感じでいこうということになりました」。このあたりはカスタマーの要求、希望に真摯に応えるサンMCらしいところ。他にもオーナーの希望だったパーツ類、例えばナイス! モーターサイクル製のハンドルやグリップ、テールランプなどを採用し、それらをバランスよく配備している。
果たして全体のカスタムの方向性が決まったところで、次に純正5ガロンタンクを3.5ガロンにスワップ。18インチ化したFホイール、ワンオフ製作されたRフェンダーと相まって、FLH特有のファットな外観をタイトな印象へモディファイしている。
排気系も注目したいポイントのひとつだ。ブラックアウトされた2in1のエキパイからアップスイープしたサイレンサーは、ワイルドなルックスでヴィンテージレーサーの雰囲気を醸し出す。同じくブラックアウトのリムやフォーク、サスなどが共に車体をグッと引き締めている。
「お客さんからはあまりピカピカにしないでくれって言われてるので、少しヤレた部分はあえて残してます」。その言葉通り、ヴィンテージなボバースタイルを4速フレームのショベルで上手く再現した。
サンモーターサイクルズにとって、久しぶりの製作となった旧車カスタム。完成に当たって所感を聞くと、「やっぱり楽しいですね、旧車」と目尻を下げる。まったく同店が手がける次の旧車カスタムがすでに楽しみでならない。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FXS 1979 DETAIL WORK
FRONT FORK
タフな印象のフロントエンド。フォークは1インチダウンして全体と均衡を計る。ブレーキ類はノーマルを使用。
GAS TANK
ヴィンテージ感を演出するペイントはN2オートの仕事。パン時代のダッシュが粋だ。スイッチやマスターは純正。
ENGINE
エンジン、ミッションともにストック。キャブも純正バタフライ。随所にストックを活かしたカスタムの好例だ。
SEAT
オーナーが前の愛車で使っていたカービングシートを移植。リサイズを手がけたのはフレーバーレザーワーク。
MUFFLER
サイレンサーはワンオフ。サスは11.5インチに換装。シッシーバーとバナナキャリパーのクリアランスが絶妙。
SISSY BAR
ラウンドさせたシッシーバーにはナイス! MCのテールランプ。マウント部の小粋なドリルド加工がアクセント。
BUILDER’S VOICE
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