RED HOT MOTORCYCLES

レッドホットモーターサイクルス（熊本県阿蘇郡）

SHOP

September 17th, 2018

あまたある熊本県のカスタムショップの中で、兄貴的存在の店主である。村上優。同業の後輩やお客さんたちから『すぐるさん』と下の名前で慕われる氏は、1997年に同店を立ち上げた古株だ。

すぐるさんは『俺に付いてこい』的猪突猛進型ではなく、一歩引いて全体を見守り、必要とあれば手を差し伸べる。そんなゆったり構えたタイプの兄貴肌だ。

主に扱う車種はハーレの旧車で、中でもショベルが多いそうだが、店前にはインディアンや英国車ヴィンセント、国産車まで、多様なバイクが並んでいる。そしてこの色彩豊かな車両のレンジがまた同店の持ち味だ。

「ウチで気を付けてること？　エンジンとかのバランスですかね。単純に言うと、腰下がダメなのにハイコンプ入れたりすれば余計負担がかかる。だから全てのバランスは常に考えてますね。もちろんエンジンだけでなく外装も全部」

無い物は作るカスタムの確かさに、培ってきたエンジンワーク。すべてを芯で受け止める安定感と人柄が、信望の厚さにつながっている。

二十歳の時に菊地輪業というショップの片隅を借りて自分でハーレーのエンジンをばらしたことからこの業界に足を踏み入れたと言う。以来、近辺のバイク乗りを力強く支えてきた。

菊地輪業で7年、その後更にLAのガレージカンパニーで修業を積んで同店を旗揚げ。それぞれの歴史を理解した上で手掛ける金属加工や内燃機作業は目がきくファンを魅了し続ける。

動線に無駄のない2階へのアプローチ。1階奥がエンジンルームで、2階はパーツ保管とミーティングスペース。コーナーに通路を配して利便性を高め、店内が一望できる設計となる。

店主村上さんのカスタムの原点は’50年代のレーサーだそう。現在の愛車は希少な’54年のヴィンセント・ラパイドで、これから手を入れて走る状態にもっていくとのこと。