トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970

TRIUMPH TR6 TROPHY 1970
KICK BACK

June 12th, 2018

ネジッて体現する
スプリングスティーン

「テーマはアメリカっぽい、分かりやすいチョッパーですかね。別に最初からカスタムショーに出そうとしたわけじゃなく、普通に入庫してきた車両を見てお客さんが買うって。整備だけして納車する予定だった話がどんどんいろいろやることになったんです」

元は店主加藤さんの知人が乗っていた’70年式TR6で、エンジンブローを起こして地元沖縄まではすぐに持って帰れないことで手放した車両だそうだ。そして、それを新たなオーナーが気に入り、だったらカスタムもということでご覧のスタイルに製作された。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970

「ダイスマガジン(※ロサンゼルス発のチョッパーマガジン)を見ていたオーナーがこんな感じって。だから分かりやすいチョッパー(笑)。こだわりはやっぱりハンドルとシーシーバーのネジリですね。角材を炙ってネジってを繰り返して作ってます」

ヴィンテージパーツで同じような物が売ってるのを知っていたが、せっかくだから作ってしまおうということで仕上げた部位だと言う。なので、その前のめりなスタンスは当然得意だからであろうと質問してみると。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970

「いやいや、得意でもないしそんな好きでもない(笑)。あんまりやらないですよ。今回はたまたま、分かりやすいチョッパーには欠かせなかったから」、と鮮やかにカウンターを浴びてしまった。

『分かりやすさ』続きで言えば、ペイントもそうだ。確かにロサンゼルスのキラキラした陽光がマッチするキャンディブルーは、もうそれだけでおなか一杯のきらびやかさがある。が、それだけには留まらず、フレームはグラデーション入り。アメリカの空気感を表現する姿勢に抜かりはない。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970

一方、外装も掲げたテーマに忠実だ。前後ホイールはノーマルの19/18インチから21/19へとインチアップし、オーナー持ち込みのアクロン製Hリムを装着。フォークはオールドトライアンフの素性を活かしてノーマルをそのまま使うが、フォークカバーにヴィンテージパーツを選択。またライザーは’70年以前の純正プルバックタイプを用いている。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970

エンジン下部のジョーハント製マグネトーもアクセントに効く。「シンプルにいくためバッテリーを搭載したくなかった」、という理由からのチョイスは、サイズこそ小さいもののその存在感は大きく、ユニークだ。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970

手が込んでる箇所はハンドルとシッシーバーのネジリぐらいだと笑い飛ばすTR6には、同店が夢想するアメリカンチョッパーの縮図がある。

TRIUMPH TR6 TROPHY 1970 DETAIL WORK

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970のハンドル

HANDLE

角材を炙ってネジり溶接した、見せ場となるツイストバー。意外にも、聞けば滅多にやらない金属加工だと言う。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970のフロントフォーク

FRONT FORK

ノーマルのフロントフォークにヴィンテージカバーを装着。ストックの良さを活かした上でカスタムされる。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970のエンジン

ENGINE

エンジンブロー後に入念にリペア。高回転域まで淀みない快調な走りを実現。マグネトーはジョーハント製。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970のマフラー

MUFFLER

極力フレームに寄せられたマフラーはワンオフで成形し、サイレンサーはヴィンテージのトランペットを選択。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970のシッシーバー

SISSY BAR

ネジリ箇所のワンオフシッシーバー。頂点のデザインは獣神サンダーライガー好きのオーナーに合わせての物。

トライアンフ チョッパーTR6 トロフィー 1970のリアフェンダー

REAR FENDER

リアフェンダーは汎用のリブタイプを使用。塗装とピンストは店主と交流の深いチェルシーワークスが担当。

BUILDER’S VOICE

KICK BACK

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