HARLEY-DAVIDSON FXDX 2001
VIDA MOTORCYCLE

理にかなった
パラダイムシフト

フルスクラッチのチョッパーで一時代を築いたショップのネクストステージが、この、『ハイスピードスタイル』。カウルやフェアリングがアイコンの、ダイナ系ラバーマウントモデルをベースにしたカスタムだ。

昨年博多に新店舗をオープンして益々輝きを増すヴィダモーターサイクルだが、やはり同店の手にかかれば、この手のスタイルも一段高いところで落ち着く。そう、とりわけワンオフパーツを多用しないカスタムながら、ハッとする重厚な存在感に、ほんのり漂うセクシーが鮮烈だ。

「メインはフェアリングですかね。FXDXTの純正車両だったんですけど、その純正パーツを外してFXRTレプリカのフェアリングを付けるというところで。まあ高速クルージングで少しでも風の抵抗を減らすような感じで使ったと」

代表の大久保さんは落ち着いた人柄もあって、決して勢いで話すことは無い。でも丁寧に言葉をつむぐからこそ、その内容が聞き手の腹にすとんと落ちる。

「今は『走る』ことに徹底したいというか、お客さんが求めてる部分もあるのかなと。チョッパーにはチョッパーの良さがありますけど、それでももっとガンガン走りたいという人たちが増えてきてると思います」

この手のスタイルのニーズは多く、その効果はロングクルーズであらわになる。疲れがなく巡航速度も上がり、目的地にスピーディーに到着する手段として最良。しかも見た目も格別となれば、アップホルダーが増えるのはもはや必然だろう。

一方、エンジンはボアアップとカム交換で1550ccにスープアップ。それに合わせて足回りに前後ハイパープロのスプリングを採用して強化を図っている。剛性のブレやブレーキング時に期待する沈み込みのタッチなど、インパクトは顕著に現れるそうだ。

外装がまた面白い。タンクやリアフェンダー、ホイール、シート、サイドバッグは意外にも純正である。逆に社外品は、フェアリングやハンドル周りなど数えるほどでしかない。この、既存のフルカスタムのイメージをくつがえすセットアップもまた、ハイスピードスタイル特有のもの。そして、ヴィダの脅威は仕上げのペイントに強く及んでいる。

塗装を担当したのは山口県の420カスタムズ。今やアウンの呼吸で大久保さんの美的感性が濃縮したイメージをトレースする腕利きだが、そのイメージはいつだって、途方もない。

FRONT FAIRING

フロントにFXRTレプリカの米国JDカスタムズ製フェアリングを装着。全体をダークトーンで統一する。

HANDLE

操作性の高いハンドルにVIDAオリジナルのナックルガードをセット。グリップはスピードマーチャント製を選択。

GAS TANK

ガスタンクは純正を使い、山口県420カスタムズのペイントワークで一新。VIDAが信頼を寄せるパートナー。

UNDER COWL

下側フェアリングまで精緻なグラフィックが隙なく描かれる。KAWELLのLEDライトがアクセントになる。

MUFFLER

ステンマフラーは人気の高いスラッシンサプライ製。品質、サウンド共に乗り手を高揚させるマスターピース。

REAR END

フェンダーやシッシーバー、サイドバッグは純正品を使用。テールライトはクリアキンのブラックLEDタイプ。