トライアンフ TR6 トロフィー 1967のチョッパーカスタム

TRIUMPH TR6 TROPHY 1967
STANDY MOTORCYCLES

August 5th, 2017

スピードに乗る
熱狂的プレイヤー

店主自ら本気で遊ぶショップである。遊びだからって容赦はしない。いや、遊びだからこそ徹底的に頭を突っ込んで、抜けなくなるまで、窒息するほどやり倒す。でも、日常では得られない貴重な経験をたっくさん吸収することで、それが仕事にビンビンに活きて来る。ついこの間も、国内有数のヴィンテージモトクロスレースに参加して、なんと出走したレースすべてにおいて優勝。ビンビンである。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のチョッパーカスタム

こうした希少なキャリアの積み重ねは、ショップとしての懐の深さに直結する。ダートラからストリート、チョッパー系までのカスタムに広く対応するのもそのためで、プラス、そこで得たメソッドが隠し味に利く。どこまでブン回したらエンジンが壊れるか、どのパーツチョイスなら走ってる姿がバランス良くキマるか。これらはすべて、本気の現場で吸い込んだノウハウだ。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のチョッパーカスタム

「最初オーナーの要望はリジッドのダートラレーサーだったんです。でも途中からチョッパーにしたいって、そこからまた二転三転して。だからあとはほぼ僕が作った。もう口出しするなって(笑)」

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のチョッパーカスタム

‘67年式TR6を素材にした、色褪せた風合いが絶妙のオールドチョッパーは、『初心者でも乗りやすく』を念頭に製作。まず、無駄なパーツを取り除いて車体を極力軽くして、足回りはルックス優先のヴィンテージではなく国産品を選択。乗り心地と強度を踏まえた結果のセットアップだと店主の熊谷さんは話す。

「フォークはヤマハのDT1Fという車両の物で、ホイールはSR。リジッドフレームで機能性が弱いヴィンテージフォークを付けると、初心者の人は楽しく乗れるまでに時間がかかる。それに乗り辛かったり壊れたりしたら面白さも半減してしまいますし」

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のチョッパーカスタム

一方、外装それぞれにも趣きがある。ガスタンクは汎用のレプリカ品を使い、前側のみ中央で割って1cm幅詰めした物で、フェンダーはハーレーの汎用フロントフェンダーをちょこっと加工して付けただけの箇所だそうだ。そしてマフラー。こちらも大そうな作りではないらしく、45φのパイプを上下二つにパカッと割って、その間に三角形のスチールパネルを溶接。エンド部分に2つ穴を開けたパネルをはめ込んで、中にサイレンサーをインストールしたものである。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のチョッパーカスタム

「いやこれ、簡単なんでそんなに(笑)」、とこぼす氏によれば、特別外装のどこかにウエイトを置くのではなく、あくまでも全体のバランスと乗りやすさが全てだと言う。ちなみにこのチョッパー、他のバイクが悲鳴を上げるスピード領域でも、優に安定した走りを見せるんだとか。

TRIUMPH TR6 TROPHY 1967 DETAIL WORK

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のハンドル

HANDLE

手前にほどよくベントしたプルバックバーはワンオフ。ライザーはヤマハDT1Fの物を加工して装着する。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のフロントフォーク

FRONT FORK

フォークもヤマハDT1F用を使い、ヘッドライトはナイス! MC製を2連でマウントし表情にアクセントを付ける。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のフロントホイール

FRONT WHEEL

初心者でも乗りやすいようにという観点から、ホイールはヴィンテージパーツではなく信頼性の高いSR用を流用。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のガスタンク

GAS TANK

汎用レプリカタンクの前側のみ1cm幅詰めして、特徴的なエイジングペイントはアオゾラワークスが担当した。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のマフラー

MUFFLER

5年前に作ったこのマフラーを一度提案するも却下。しかし結局、雑誌を手にコレが良いとオーナーから注文を受けて製作。

トライアンフ TR6 トロフィー 1967のシッシーバー

SISSY BAR

ハイトのあるシッシーバーはワンオフで、ライトにレプリカルーカスを選択。フェンダーはハーレー用を使う。

BUILDER’S VOICE

STANDY MOTORCYCLES

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