
TRIUMPH TR6 “WILD PIGEON” 1965
HEIWA MOTORCYCLE
新たな技法に挑んだマシンで
アニバーサリーイヤーを飾る
何の情報もなくそのバイクを見ても、誰が造ったか一目瞭然。そんな個性の確立は、クリエイティブなビルダーであるほど目標とする境地ではないだろうか。
それを実現している職人は数少ないが、そこに『平和モーターサイクル』の木村さんの名を挙げて異論を挟む者はいないだろう。

そんな『平和』の最新作は、昨年の横浜HOT ROD CUSTOM SHOW 2025(HCS)で披露されたトライアンフ。その名を「Wild Pigeon」と発する。
「2025年がうちの20周年ということで、それを記念した一台です。オーダーしてくれたお客さんとは『ハーレーにしようか』なんて話も出たんですけど、やっぱり今までの集大成として作るならトラがいいんじゃないかって事でTR6ベースにしました」

このマシンには、『平和』初の試みが実行されている。
「後方排気、リバースヘッドです。これを随分前から『いつかやろう』と思ってて、じゃあ記念のバイクにそれを当てはめるのが一番かなって思ったんです」
トライアンフのカスタムでは稀に行われている、シリンダーから上を真逆に載せるリバースヘッドという技法。
吸排気がストックとは真逆に配されることによって生まれる強烈な違和感を、「(極力違和感を排して)普通に見せる』という難題を木村さんはこのマシンに課したのだ。そしてそれを至極ナチュラルにやってのけている。

「横浜で『みんなすごい突っ込んでくるだろうな』って思ってたけど、ほぼほぼ気付かれなくて(笑)。まぁ狙い通りではあったけど、誰にも気付かれないのも寂しいんで搬入日にSNSで『今回の見どころは後方排気です』って書いたりしちゃいましたね」、と笑った。
無論、見どころはそれだけにとどまらない。

ワンオフで製作されたフレームと、タンクにシートカウル、オイルタンクなどアルミで製作された外装類によって構成されるこの車体バランス……シャープでナローな平和スタイルはやはり、ミニマルなモーターサイクルカスタムの理想形だ。
足周りのパーツチョイスも木村さんの真骨頂のひとつ。洋の東西や世代を超えて、このマシンへの最適解を求める。バイクへの造詣の深さがこれを実現している。

エキゾーストも今回の大きな見どころだ。後方排気ゆえにパイプのレングスを稼ぐべく、パイプは立体交差。その軌道は創造的でありながら、クドさのない絶妙なラインを描く。高いセンスはもちろん、それを実現した技巧にも舌を巻く。
横浜HCSではBest Motorcycle EuropeanとRough Crafts’ pickを受賞し、20周年に大輪の花を添えた。
(写真・文/マツモトカズオ)
TRIUMPH TR6 “WILD PIGEON” 1965 DETAIL WORK

FRONT FORK
フロントエンドはパイオリ製。ブレーキは国産車用のミニドラム。ちなみにホイールは前後18/16インチ。

PAINT WORK
塗装はN2オートが担当。少しグリーンの乗ったガンメタリックに差し色のオレンジ。絶妙な配色で車体を彩る。

CARBURETOR
前にキャブがある違和感をフィンを造形したキャブカバーで馴染ませる。エングレービングはCheetahの仕事。

MUFFLER
エキパイの立体交差。左パイプは前方で、右パイプは後方で軌道をクロス。デザインの創造には苦心したという。

SEAT COWL
ワンオフのシートカウル。シートレールやその支えとなる部分を隠すことにより、どこか浮遊感のあるリア周り。

REAR END
リアサスはモノサス仕様。スイングアームもワンオフだ。角パイプを用い、テーパードさせたデザインが特徴的。
BUILDER’S VOICE
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