HARLEY-DAVIDSON XL 1200R 2006
SURE SHOT
‘04年以降のスポーツ乗り必見
ボルトオンのショーカスタム
ディテイルの作り込みとグルービーなデザイン力で、カスタムファンの間では一目置かれた存在のシュアショット。今回の’06年式XL1200Rは同店にとって新たな試みとなる、市販を考慮したボルトオンパーツを使ったデモ車である。
ラバーマウントのスポーツスターを素材にして、『ネオクラシックなカフェレーサー』を作りたかったという所からプロジェクトは動き出す。まず、アッパーカウルとタンク、シートカウル、サイドカバー、そしてダービーカバーなどの小物に至るまでがカーボンで製作された。これは今後のFRPをラインナップに加えた量産化とハイグレードな素材感を入手するためで、鉄を使ったプレス生産ではコストが大きく膨れ上がってしまうのを避けるためでもある。
では、鈑金ではなく一体どう作ったのか。それは、目の細かい発砲スチロールの塊をとにかく削り込んでいき成形された。金ノコとヤスリを使って狙った形状にシェイビングし終えたらそこにFRPを貼り、その上に更にパテを盛って研磨。実際に自分が作りたい形状に仕上げると、今度はそれを元に型を取って(メス型)、そこにカーボンを貼付。各パートを結合していきアッパーカウルやタンクなどを製作するのである。代表の相川さんは当初、鈑金より簡単にいくだろうと高をくくっていたそうだが、そのハードルの高さに面食らったと当時を振り返る。
特にアッパーカウルは中空で位置決めをしなければならず、形状はもとよりステーの製作なども一筋縄ではいかなかった。またタンクにしても、走行時にニーグリップと膝当てが出来て収まりの良い形状というのはなかなかに難しいタスクだったとこぼす。
他にも、ロードレーサーでは17インチが主流のなか、クラシカルなテイストを計って前後は18インチ化。そして、スポークホイールのダブルディスク対抗ピストン仕様という点も見逃せないポイントだ。スポークで対抗ピストンを装着すると、どうしてもキャリパーの内側が干渉してしまう。そのためトリプルツリー自体をワンオフで作りフォーク幅を広げて対処し、更に、スポークのダブルディスク用ハブが市販では無いため、シングルディスク用ハブの片側にもうひとつローターが付くようにフライスで加工。見事な収まり具合でダブルディスク仕様にフィニッシュしていたりするわけだ。
マフラーもエキパイはワンオフで、サイレンサーは音質の良さに定評のある名品BUBを使用。それを耐熱温度と密着率の高い軍用塗材、セラコートで塗り上げ、メッキとはまた違った風合いで独自性を発揮。もはや隠し味のオンパレードである。取り立てて手の込んだディテイルを前面に推し出すのではなく、全体のフォルムと調和させることでよりマシンの完成度は高められている。
シュアショット初の、ボルトオンによるデモ車『XL1200R』。ショーバイクのクオリティを継承したパーツ展開が、遂に始まる。
HARLEY-DAVIDSON XL 1200R 2006 DETAIL WORK
UPPER COWL
ラバーマウントのスポーツスター用にリリースされるボルトオンパーツ。カーボンとFRPの2種類が用意。
TRIPLE TREE
スポークホイールでのダブルディスク対抗ピストン化に伴いフォーク幅を拡大。トリプルをワンオフで製作。
DOUBLE DISK BRAKE
当初から譲れない箇所だったスポークのダブルディスク対抗ピストン化。かなりの労力が費やされた箇所だ。
GAS TANK
‘04年以降のXLモデルに対応するオリジナルパーツ。勿論カバーではなく実際にガスを入れるリアルタンク。
MUFFLER
サイレンサーに名品BUBを付けたマフラーは、チタンカラーでセラコート。品の良い独特の風合いを醸し出す。
SEAT COWL
デザイン性の高い流麗なシートカウル。カーボンとリオスタジオによるゴールドリーフが瀟洒な印象を与える。
BUILDER’S VOICE
SURE SHOT
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