ハーレーダビッドソン XL1200R 2004年のスポーツスターカスタム

H-D XL1200R 2004
A.A.R.

July 30th, 2020

より抜きの手数で尽くす
理想へのショートパス

ハーレーのスポーツスターファミリーの中でも、とりわけスポーティな走りが楽しめるモデルとして知られる『XL1200Rロードスター』。新設計された高剛性のニューフレームに、シリンダーやピストン等の内燃機関をアップデイトしたエンジンをラバーマウント。そしてハンドル中央に鎮座する2連メーターやダブルディスクブレーキ、クラッチの操作性の改良など、ノーマルでも十分なライディングの旨味が凝縮されたバイクである。

ハーレーダビッドソン XL1200R 2004年のスポーツスターカスタム

そのモデルの上質な素性を損なうことなく、見栄え良くサラリとカスタムを施したのがこちらの一台。製作は、旧車から現行車までを分け隔てなく扱う石川県金沢の『A.A.R.(エーエーアール)』。

「カスタムのテーマは、まあ別にないですよ(笑)。お客さんの好みというか、わりと走り込むのが好きみたいなので、それに合わせてパーツをチョイスした感じですよね」

ハーレーダビッドソン XL1200R 2004年のスポーツスターカスタム

店主の宮崎さんはほがらかに目の前のバイクについて語り出す。多弁ではない氏が、ひとことひとこと言葉を選ぶように話す内容に特別なことはないものの、それがパーツにおよべば話は別だ。長年旧車のパーツ販売を生業として数々の商品に触れてきた氏なだけに、その審美眼は厳しく、発せられる言葉に重みが宿る。

ハーレーダビッドソン XL1200R 2004年のスポーツスターカスタム

「ポイントはトランプさんのマフラーですか。市販品でカッコ良いですよね。あとはリアショックはオーリンズで、カウルも付けてますけど他はほとんどノーマルパーツです」

話を聞けば、最小限の手数でシュッとまとめられたカスタムだ。なるほど、360度無駄がなく、奇異なパートも見当たらない。手数が多く見るに堪えないゴテゴテのカスタムとは対極に位置する、スマートなプロポーション。ライトカスタムの模範的なマシンである。

ハーレーダビッドソン XL1200R 2004年のスポーツスターカスタム

一方、エンジンはストックでキャブはCVをそのまま使用。しかしセッティングは抜かりない。自社に配備したシャシダイを駆使して、眠ったポテンシャルを余すことなく呼び覚ましている。

「オーナーが攻め込みたいというのもあって、少し前傾姿勢になるようなハンドルになってます。まあそこまで峠をガンガン攻めるというわけではないですけど、そういうバイクが好きみたいなのでそのイメージは反映させてます」

ハーレーダビッドソン XL1200R 2004年のスポーツスターカスタム

基本的にお客さんの意見を尊重した上で、理想の形をアシスト。今回はやり過ぎずにさらっと。経験豊かな作り手が咀嚼した、雑音のないカスタムである。

HARLEY-DAVIDSON XL1200R 2004 DETAIL WORK

ハーレーダビッドソン XL1200Rカスタムのハンドル

HANDLE

ハンドルにドラッグバーを選択。ストックの2連メーターが合わさりスポーティな走りのイメージを盛り上げる。

ハーレーダビッドソン XL1200Rカスタムのフロントカウル

FRONT COWL

カスタムのアクセントに効くフロントカウル。バイクとのサイズ感も合致してジェントルな雰囲気を漂わす。

ハーレーダビッドソン XL1200Rカスタムのエンジン

ENGINE

ストック1200エンジンとCVキャブ。潜在能力を最大限引き出すため、自社のシャシダイを使いセッティング。

ハーレーダビッドソン XL1200Rカスタムのシート

SEAT

ホールド性の高い、ほど良い肉厚のガンファイターシートはマスタング製。走りに振ったスタイルとの相性は良好。

ハーレーダビッドソン XL1200Rカスタムのマフラー

MUFFLER

大阪トランプサイクル製のフルチタンマフラー。ルックス、サウンド、パワーアップの三拍子を備えた一品。

ハーレーダビッドソン XL1200Rカスタムのリアショック

REAR SHOCK

リアにはオーリンズ製ショックを採用。街中と峠のいずれの使用も考えたクオリティパーツをセットする。

BUILDER’S VOICE

A.A.R.

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電話 076-267-8511
FAX 076-267-8522
SHOP A.A.R.のショップ紹介
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定休日 土曜日