YAMAHA SR400 1998
LAMP CYCLE
トレイシーをまとい疾走する
個性派フラットトラッカー
国産、ハーレー、時には欧州車と、多様な車種を手掛けている気鋭のショップ『ランプサイクル』。幅広いストライクゾーンを持つ同店だが、やはり最も得意とし、またファンからも認知されているのは、ヤマハSRのカスタムだろう。チョッパーからカフェレーサーまで「ストリートに似合うSRカスタム」はもはやランプの代名詞だ。
そんなランプサイクルのブランニューである。こちらのピンクのSRと、もう一台ブルーのSR、これらは昨年の横浜ホットロッドカスタムショーでも展示されていたため、見覚えがあるという方も少なくないだろう。
「ベースはウチが初めて横浜に出したSRです。今回HCSが30周年ということで、僕にとってメモリアルな一台をリニューアルして出展しました」と、店主の松隈さん。
やはり最も目を惹くのは、タンクからリアフェンダーまでワンピースで製作されたトレイシーボディだ。
「アメリカで草レースをやってたおっちゃんたちが頑張って造った軽量化外装、っていうのが僕のトレイシーに対するイメージです。デザイン的にも好きだったので、国産のカスタムにも取り入れてみたかったんです」
敢えてヴィンテージを用いず、ランプとしては初となるFRPによるトレイシーボディ製作を敢行した。「横から見た時にかっこいいのはもちろんのこと、跨った時にカッコいいスタイルを目指しました」。
一方、フレームはこのボディに合わせてリメイク。SRの特徴とも言えるシート下のフレームの一部をカットするが、強度を損なわぬよう脱着式のサブフレームも製作。ホイールのセットアップはフロント19/リア18インチ。これは往年のフラットトラッカーをイメージした箇所だという。トレイシーと相まって、レーサーの雰囲気が如実に漂う。
ユニークな点で言えば、その『顔面』にも注目したい。
「鉄仮面風な顔面にして個性を出したかったんです」と、松隈さん。トラともハーレーとも似て非なるデザインで製作されたナセルには、ヘッドライトとメーターが埋め込まれ、確かに唯一無二の個性を演出している。そして、ボディとフレームを染めるペイントもこのマシンを語る上で欠かせないファクターだ。
「濁った赤ピンクが使いたくて。色味にはこだわりましたね。調色はこちらでやって、『サイドワインダー』さんに塗装してもらいました」
SRを数多く手掛けてきた同店。その中でもひときわ個性的な雰囲気を放つマシンである。
(写真・文/マツモトカズオ)
YAMAHA SR400 1998 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルはトラッカーバー。ライザーはマウント部が手前にオフセットされている国産他車種のものを流用。
HEAD LIGHT NACELLE
シートメタルからワンオフ製作されたナセル。そのトップ部には、デイトナのデジタルメーターを埋め込む。
FRONT END
アウターチューブはXT250製でアクスルが前にオフセットされる。ボトムのフィンも特徴的だ。ブレーキもXT用。
MUFFLER
ワンオフのマフラー。この軌道は松隈さんも気に入っているパート。パワーボムが存在を強烈に主張している。
TRACY BODY
この流麗なラインを出すためトライ&エラーを繰り返したというトレイシーボディ。フレイムスが映える。
SWINGARM
‘80年代のレーサーをイメージし下部に補強を入れたスイングアーム。Rサスは小ぶりなサイズのへイゴン製。
BUILDER’S VOICE
LAMP CYCLE
住所 | 福岡県福岡市早良区原3-19-25-101 |
---|---|
電話 | 092-834-5105 |
FAX | 092-834-5105 |
SHOP | LAMP CYCLEのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 火曜日 |