H-D FXSTD 2000
D-club Custom Ranch
段階的に距離を縮める
足かけ14年のアルカディア
高年式の車両を使い、最新のパーツと技術を駆使して製作される現代チョッパーの『ニュースクールチョッパー』。いわゆる’70年代に台頭した普遍的チョッパースタイルのオールドスクールチョッパーと対をなすカスタムスタイルとして知られるが、鳥取県の『Dクラブカスタムランチ』は長年このニュースクールの名手として鳴らした存在だ。
「コンセプトと聞かれても難しいなぁ。まあ長いバイクを作りたかったなと(笑)。あとはまあフレームワークがポイントかね。フレームの改造申請をするにあたっての強度検討等が大変だったかな」
作り手の足立さんはこれまで、フレームからワンメイクした数々のニュースクールチョッパーを手掛けてきた。そして今回の2000年式FXSTDもご多分にもれず、基本骨格から作り出されたスペシャル版である。
まず全体を俯瞰(ふかん)したい。オリジナルのフレームには8インチオーバーのフロントフォークを装着し、ガスタンクにはローマウントのストレッチタイプを選び、後方へと流れるようなラインを入手。そのまま連なるリアフェンダーはワンオフで、タイヤには300ワイドがセットされた。
「シート周りもワンオフ。ツーリングキャリアをここから付けれるように、それ前提で作ってますね。やっぱりツーリング行かれんと寂しいからね。まあオーナーさん長距離ツーリングばっかりなんで」
スイングアームと一体デザインのフェンダーストラットはステンレス製で、せっかくだからとその箇所のみポリッシュ。またスイングアームにはウインカーを埋め込むなど端々に見せ場も用意されている。
一方、ツインカムベースのエンジンにも手を入れ、S&S製124cu.in.(2030cc)を搭載。キャブにGキャブ、マフラーにサンダーヘッダーを取り付け、パワフルなライディングを後押しする。ツーリングがメインの使用用途だと話す乗り手に合わせて、ゆったりと、トルクフルな乗り心地を届けている。
これまで一気にではなく少しずつカスタムしてきたと言う車両だが、今回撮影に付き添ってくれたオーナーに話を聞くと、それは2007年にノーマルで購入してからこつこつと、実に14年の道のりになるそうだ。
「お金が無いんでちょっとずつ(笑)。気に入っとるのは低くて長い感じと、やっぱり最初このワイドタイヤを見て良いなと思ったんでそこですかね。これはもう理想が形になってますね(笑)」
HARLEY-DAVIDSON FXSTD 2000 DETAIL WORK
FRONT FORK
フロントフォークはアメリカンサスペンション製の8インチオーバー。ヘッドライトはV-RODタイプを採用。
FRONT WHEEL
フロントのビレットホイールはリア共にローランドサンズデザイン製。キャリパーにPM製6ポットを装着。
GAS TANK
カスタムのキモになる流線形ガスタンクはカスタムクローム製をモディファイ。ハンドルはアレンネス製。
SEAT
ツーリングキャリアの取り付けを前提に製作したシート周り。フェンダーはスイングアーム側に固定する。
REAR FENDER
ワンオフのリアフェンダーには300ワイドタイヤをセット。ナンバープレート周りにアレンネス製を用いる。
SWING ARM
ポリッシュしたステンレス製フェンダーステーと接合するスイングアームにはウインカーが埋め込まれる。
BUILDER’S VOICE
D-club Custom Ranch
住所 | 鳥取県鳥取市賀露町4093 |
---|---|
電話 | 0857-30-1340 |
FAX | 0857-31-3358 |
SHOP | D-club Custom Ranchのショップ紹介 |
営業時間 | 10:30 ~ 19:00 |
定休日 | 火曜日 |