H-D XLH 1962
MOTORCYCLES BANKARA
ヴィンテージ専科をも唸らす
美しきハイファイ・パープル
広島に開業して22年が経つ、ヴィンテージ専科として名高い『モーターサイクルズバンカラ』。店頭にはオリジナルコンディションのパンやナックルが並び、その優雅な内外観は、さながらミュージアム然としている。
代表の神原さんはWRやXRを駆って旧車レースのAVCCに参戦するレーサーでもあり、ヴィンテージへの造詣の深さで知られている。そんな神原さんに、今ショップにある在庫車両の中でお気に入りの一台を撮影したいという旨を伝えると、このマシンをセレクトしてくれた。
「アメリカのバイヤーからオファーがあったんです。アイアンをメインで集めているXLHマニアの方が所有されていたと聞いています。一目見て、即決で買うと決めました。状態もものすごく良くて、こんなコンディションのものはそうそう出会えないと思いましたね」
この美しいヴィンテージは、1962年のXLH。スポーツスター黎明期に生産されたものだ。
まず目を引くのは、その艶やかなペイントだ。このカラー『ハイファイ・パープル&ホワイト』は当時のオプションカラーであり、また’62~’63年のみの設定であることから、それが極めて希少であることは説明不要だろう。
外観を見ていこう。ナローなナセルに、やや大柄でアールの効いたタンクは、この時代のXLHならではのルックス。当時ライバルであった欧州車を意識したデザインだと言われている。
豪華なオプションにも注目したい。スクリーン、スポットライト、バディシート、そして当時デュオグライドにも装備されていたロイヤライトのサドルバッグ。オプションフル装備となった姿は、我々が知るスポーツスターとは一線を画す優雅さを醸し出していた。
「僕は足周りが好きなんです。この年代のみ採用されていたボラーニの初期型Hリム、それに純正のグッドイヤーというマッチングがすごくいい。33.4mmのフォークに、片ハブドラムのマッチングもいいですね。この後ハンバーガードラムになるので、’60年代前半のモデルのみの希少な組み合わせです」。氏はそう言って目を細めた。
現在このマシンはFOR SALEとなっている。そこでどんな人に乗って欲しいかと尋ねると、「できれば女性がいいですね。絶対に似合うと思うんです。ファッションも’60年代のアメリカの雰囲気で乗ってくれたら……最高ですね」。
確かに。思わず、マリアンヌ・フェイスフルのような女性がこのXLHを颯爽と駆る姿を夢想してしまった。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON XLH 1962 DETAIL WORK
FRONT SCREEN
当時オプションだったスクリーンにスポットライト。デュオグライドを彷彿とさせる優雅なフロント周りだ。
HANDLE
ハンドルもオリジナル。インナースロットル、手動進角、ナセルメーター。ハンドル周りだけでも見所が尽きない。
FRONT WHEEL
33.4mmのナローなフォークと片ハブドラム、ボラーニの初期型Hリム、純正タイヤのグッドイヤーという豪奢な布陣。
GAS TANK
タンクを前後に走るホワイトのラインが美しい。楕円型のタンクバッヂは’62年に採用、2年間のみ造られた物。
PRIMARY
プライマリーに刻まれた「SPORTSTER」。スポーツ黎明期の証。ホーンやツールボックスも好コンディション。
SADDLE BAG
ロイヤライトのサドルバッグ、そしてバディシートの白がパープル&ホワイトのボディカラーによく似合う。
BUILDER’S VOICE
MOTORCYCLES BANKARA
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