H-D XL883L 2007
SUNNY-SIDE GARAGE
XR1200を移植した
好奇のサーチライト
外見ではなく、『走り』のカスタムである。一体どうやったらその個体が持つポテンシャルを最大限引き出すことが出来るか。それ以上の力を呼び覚ますことが出来るか。ショップオーナーの須川(すがわ)さんが考えるところはいつだってそこで、だからこそ必然的に、氏の作るカスタムバイクは体脂肪率をグッと抑えたシャープなレーシングスタイルにまとめられる。
「これは僕の愛車です。883(ハチハチサン)のポテンシャルを一番楽しめるような。引き出せるような車両にしました。味付け的には一番はサンダーマックスを使って、バーンさんのチタンマフラーを付けてパワーを上げてるところですね」
近隣の県からも噂を聞き付けやってくるサンダーマックスを用いたインジェクションチューン。その看板メニューと、古巣の『バーン! H-Dスポーツ』製マフラーを組み合わせた大剛のセットアップに加え、足周りにXR1200用を移植する点が『走り』に振った同店の本領である。
「前後ともXR1200のです。やっぱり走りに特化したモデルなのと、その足周りを入れることでタイヤのチョイスの幅もかなり広がるんでこれを選んでます。今回はリアに180のワイドサイズを入れてます」
ハーレーに履かせる店はあまり無いと話すタイヤは、ブリヂストンのハイパースポーツS21。スーパースポーツのレーシング寄りのライダーが好むやわらかなタイプで、グリップ力と相反した耐摩耗性も申し分ないそうだ。
しかし特別サーキット走行や峠を攻め込むわけではなく、あくまで想定してるのは日常での使用。安全にワインディングを楽しむために氏が選ぶのは最新鋭の高性能タイヤで、それはタイヤの良し悪しで魅力が180度変わってしまう事実を身をもって体験してきた人間ならではのものだ。
他に、フロントにはヤマハ用の正立オーリンズフォークを装着。バンク角を稼げる長めのタイプを取り付け、同じくリアにも国産車用のオーリンズショックをセット。バネレートを変えて最もおいしい具合に調整している。
一歩引いて視線を向けると、須川さんは好奇心旺盛に何でも見てやろうという様子である。『走りの向上』というジャングルに分け入り、思わぬ発見をする一方、道に迷って、また元に引き返すという方法で、独自の勘を磨いて来た。だけどただやみ雲に突き進むのではなく、慎重に、踏みしめるように歩を進めている。そしてその用心深くライトを照らした先には決まって、たいした未来が眠っている。
HARLEY-DAVIDSON XL883L 2007 DETAIL WORK
HANDLE
ショートタイプのハンドルはデイトナ製。STACKメーターはスポーツスターに付くよう加工してマウント。
FRONT FORK
長めのオーリンズフォークはスポーツ用がまだ発売されてないためバネとオイルを交換したヤマハ用をセット。
FRONT WHEEL
ホイールはACTIVE製グライドを選択。キャリパーはブレンボで、ミスミエンジニアリング製ローターと合わす。
MUFFLER
マフラーはバーン! H-Dスポーツ製のチタンマフラー。質感の高いバックステップはミスミエンジニアリング製。
REAR END
リアフェンダーやガスタンクなどの外装はノーマルで、塗装はカスタムペインターのシェイキン清水さんが担当。
REAR SHOCK
最高グレードのモデルが日本車用しか無かった為バネレートを変えて設置。フロント同様にブレンボを配備。
BUILDER’S VOICE
SUNNY-SIDE GARAGE
住所 | 三重県松阪市上川町1655-1 |
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電話 | 0598-67-0058 |
FAX | 0598-67-4758 |
SHOP | SUNNY-SIDE GARAGEのショップ紹介 |
営業時間 | 11:00 ~ 16:00 |
定休日 | 火曜日、水曜日、木曜日 |