
H-D FL 1950
BIKE GARAGE KOKORO
黙してとどめを刺す
オールドスクールの極意
カスタムショーでは人一倍の群衆を集めるショーバイクや、ニュースクールチョッパーと、立て続けに第一級のマシンを撃ち込んできた『BIKE GARAGE KOKORO(BGK)』。今回は数ある引出しの中から、またしても財宝の詰まった美空間を遠慮なく披露している。

オールドスクールチョッパー。ここ最近のBGKの動きとしては意外ともとれる王道をゆくスタイルだが、よくよく見るまでもなく、そのシルエットからは手練れの作り手によるものだというのが一目瞭然の光彩が発せられる。
「いまのオーナーが付かなかったら自分でショーに出そうと思ってたカラーリングだったりをしたかったんです。それをオーナーに伝えたら是非それでということだったので、そこからどんどんこのスタイルになっていった感じですね」

奇をてらうことなく、かつ、あまりワンオフ製作した雰囲気を出さないように。そこに独自のマシンバランスと、精髄とする『えぐみ』を気にかけて作ったものだ。他の多くのショップも手掛けるオールドスクールだが、これがBGKのオールドスクールチョッパーだというのを発信したかったと、内田さんは言う。
リジッドフレームに6インチオーバーの74スプリンガーフォークを装着。ライトは一般的なベイツタイプだが、このマウント箇所が絶品だ。実はビルダーの力量が一発で分かるディテイルゆえにその収め方は流石のひと言である。
また、ガスタンクとリアフェンダーも特別な物ではないが、そこを彩るペイントに氏の美意識が惜しげもなく投影されている。

数年前から人知れずあたためてきたこのグラフィックは、1950~’60年代の焼き物からインスピレーションを受けたもので、当然いま人気を集めるエイジング塗装とは対極をいくものだ。
そして、スロットルワイヤーの取り回しひとつ見ても、ラインをととのえフレームにすんなりと融和。オールドスクールだからとビヨンと伸びたケーブルを野放しにすることは決してないし、むしろその風潮に好戦するのがBGKの規範だ。

一方、その昔人気を博したガラスシフトノブの選択もオツである。若い人は知らない、分かる人には分かるという、経験値を積んだ作り手だからこそのしゃれっ気がいま逆に新鮮だ。
「僕の中でいつも思うのは、いもくさくなるのが嫌なんです。いもが嫌いなわけじゃないですけどね(笑)」

オールドスクールでも綺麗に作りたい。BGKのチョッパーには誰もが認める美しさのなかに、粘膜に吸いつく震えるほどの中毒性がある。
HARLEY-DAVIDSON FL 1950 DETAIL WORK

HANDLE
ライザー一体のTバーはワンオフ。スロットルワイヤーを中通しし、フレームに沿って美しくラインをまとめる。

FRONT FORK
6インチオーバーのスプリンガーフォークをセット。ヘッドライトは最も収まりの良い位置を見極めてマウント。

GAS TANK
ペイントは数年前よりあたためていた1950~’60年代の焼き物からインスピレーションを受けたグラフィック。

FOOT CONTROL
汎用パーツを使いながらわずかに手を加えることで完成度高くフィニッシュ。ガラスシフトノブがアクセント。

SEAT
ほどよい肉厚のソロシートはバイク全体のバランスと調和する形状に。フェンダーは往年のフォードより転用。

MUFFLER
トラディショナルなフォルムにあわせたスラッシュカットマフラー。しかし長さの設定にプロの才腕が現れる。
BIKE GARAGE KOKORO
| 住所 | 山梨県山梨市下栗原381 |
|---|---|
| 電話 | 0553-22-9996 |
| FAX | 0553-22-9996 |
| SHOP | BIKE GARAGE KOKOROのショップ紹介 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 18:00 |
| 定休日 | 火曜日 |

H-D XLH883 1997
H-D FLH 1977







