custom shop Bollock’sのハーレーのパンヘッド ロングフォークチョッパー FL 1959年

H-D FL 1959
custom shop Bollock’s

July 26th, 2025

凄いではなく格好いい
25インチまでの美空間

20年以上に渡ってカスタムと実直に向き合ってきている。主人の吉田さんに好みのスタイルを尋ねてみると、ロングフォークの名が挙がった。とはいえ、それは数をこなしてきたがゆえの矜持もあり、他にドラッガー系カスタムまで広範なスタイルを自身の引き出しに備えている。

custom shop Bollock’sのハーレーのパンヘッド ロングフォークチョッパー FL 1959年

ロングフォークのチョッパーに憧れていたオーナーの依頼を受けて製作した、互いにど真ん中の愛好を持ってゴールへと疾走した一台。ウェブ上から集められた理想とする画像を前にオーナーの相談にのり、それをもとに『ボロックス』のカラーで仕上げたものだと言う。

最初のとっかかりとしたのはフロントフォークだ。同店でロングフォークを扱う際はまず何インチオーバーを取り付けたいのか、そこから話が始まる。そして今回は22インチという、20でも25インチでもない中途なサイズ指定を受けた後に、すべての工程が動きだした。

custom shop Bollock’sのハーレーのパンヘッド ロングフォークチョッパー FL 1959年

「22インチ指定でした(笑)。なんでそういう数値かというと、僕が個人的に25インチオーバーまでしか作らないからなんです。25インチの人は数人いて、20インチオーバーだと短過ぎるから間をとってみたいな軽い感じです(笑)」

ここに同店の美学がある。25インチオーバーまでしか作らないのは、それ以上になってくると吉田さん個人が考える『端整な枠』を出てしまう。「『すごい』は嫌なんです、どこまでいっても『格好いい』にしたいんです」、という明確な考えがそのベースにあるからだ。

custom shop Bollock’sのハーレーのパンヘッド ロングフォークチョッパー FL 1959年

そして次に、フレームである。氏の肌感覚である程度のラインを出しておき、オーナーを呼んで好みのフォームを微調整し、前後にホイールを付けて足を立てたら今度はライディングポジション。

実際にまたがってもらい、自分のベストな位置に腕を伸ばしてそこでハンドルを固定。同じようにシートやフットコントロールといった乗り心地に影響する箇所を詰め、漏れなく乗り手に合わせたフルメイドを推進する。

custom shop Bollock’sのハーレーのパンヘッド ロングフォークチョッパー FL 1959年

一見乗りにくい印象を与える世のロングフォーカーの誰もが自身のチョッパーを難なく操るのは、こうした作り手との細かなセッティングを経て、気持ちをもってそれと接することで一体感を築くからであろう。

「やっぱ気分良いですよね。オーナーの喜んだ顔を見たときにホントにそれまでの苦労が全部吹き飛びます」

custom shop Bollock’sのハーレーのパンヘッド ロングフォークチョッパー FL 1959年

決して乗りやすいチョッパーではない。でもそれをいかに乗り手に最良なものとして送り届けるかが作り手の腕の見せどころであり、相手への情味そのものである。

HARLEY-DAVIDSON FL 1959 DETAIL WORK

パンヘッドのロングフォークチョッパー FL 1959年のハンドル

HANDLE

オーナーにまたがってもらい位置合わせをしたエッジの効いたハンドル。ブレーキレバーはリアブレーキと連動。

パンヘッドのロングフォークチョッパー FL 1959年のフロントフォーク

FRONT FORK

ワンオフされたフォークは22インチオーバーのMCペッカーズ製。ライトにFNA製パンケーキを2連装着。

パンヘッドのロングフォークチョッパー FL 1959年のガスタンク

GAS TANK

ロングフォークチョッパーと相性のいいプリズミックタンクを。グラフィックは塗装屋と相談して決めたもの。

パンヘッドのロングフォークチョッパー FL 1959年のマフラー

MUFFLER

アップスイープのポーカーパイプはあえてフロントとリアの角度を変えてマウント。エンドに真鍮リングが付く。

パンヘッドのロングフォークチョッパー FL 1959年のシッシーバー

SISSY BAR

全体のバランスと均衡させたハイバックシートはワンオフのシッシーバーで支持。歴戦で培ったシンプルな造形。

パンヘッドのロングフォークチョッパー FL 1959年のリアホイール

REAR WHEEL

前後21/19インチホイール共に5スポークのインベーダーホイールを設置。廃れることない普遍の存在感を保持。

custom shop Bollock’s

住所 愛知県弥富市寛延5-59-1
電話 0567-41-3281
FAX 0567-41-3281
SHOP custom shop Bollock’sのショップ紹介
営業時間 10:00 ~ 19:30
定休日 木曜日、第1、3日曜日