H-D FXWG 1983
WEST VILLAGE CUSTOM CYCLES

三重と大阪をつなぐ
解禁のファーストテイク

店主西村さんのバイタリティそのままに、意欲的にカスタムを発信し続けるショップだ。そのカスタムスタイルは多岐に渡り、乗り手の好みに耳を傾け、波状的に湯気立つかのバイクをリリース。しかしカスタムの基盤にあるのは、あくまでも『チョッパースタイル』だ。

「コンセプトは特にないんですけど、ウチでは初めての大阪に住む県外のお客さんなんです。今までフルカスタムの場合は県外の人はお断りしてたんですよ。やっぱり信頼関係を築くのが結構難しいんで」

例えば、しょっちゅう来てくれるような人でないと売ったらさよならのケースが多い。そうなれば当然いろんなトラブルが出てくることもある。そんな理由から西村さんはこれまで、県外の注文は受けてこなかったが、オーナーと一度ゆっくり話した時にお互い良い関係が出来そうなことで依頼を受けたそうだ。

「結局作り出したんですが全部お任せみたいな感じやったんです。でも正直僕は任せられるのが一番困るんですよね、そこまでカリスマでもなんでもないし（笑）。だからちょっとずつ本人の好みを聞き出していってこういうカタチにした感じです」

しいてのオーナーの希望を挙げるなら『キレイではないやつ』。ビカビカではなく大阪のチョッパーシーンに馴染むような無骨な雰囲気に照準を定め、オールドスクールなチョッパーに製作した。

まず、乗っている姿が『映える』ことを大前提にして各パーツをセレクト。つまりはライディングポジションもそうだが、オーナーに似合うかどうかも吟味しつつそれぞれの選択を開始。

ガスタンクにはナローなピーナツタイプを付け、フォークも同じくナロートリプルツリーに6インチオーバーをセット。そしてハンドルにエイプハンガーを用いてオーソドックスなチョッパースタイルを掌中（しょうちゅう）。

続いてリア周りだが、フェンダーはサイクルタイプを装着し、シッシーバーはフロントとのバランスを加味してハイトを持たせて造作。

マフラーに関してはオーナーの希望を汲み取り寄せ集めをつなぎ、手をかけずにそのままフィニッシュ。しかしもとより、内燃機や機能をつかさどる箇所はきっちり目が注がれている。

「手を抜くわけじゃなく配線からなんでも細部までやってあります。これから外観がヤレて来ても中身だけは完璧っていうのが僕のこだわってるとこなんで。あとは大阪行ってもそれなりに目立ってくれたら嬉しいなとは思いますね」

HANDLE

ハンドルはスタンダードなエイプハンガーを装着。三つ又はマリンズチェーンドライブ製スーパーナロートリプル。

FRONT FORK

スプリンガーではなくテレスコを希望したオーナーは6インチオーバーを選択。アウターは旋盤でスムージング。

GAS TANK

ガスタンクは汎用ピーナツタイプをナロード加工。「ウチは4リットル強入るスリムさにしてます」とのこと。

FOOT CONTROL

コントロールはFLH純正品を移植したもの。プライマリーはBDL製でその上のミッドハイステップはワンオフ。

MUFFLER

「綺麗ではない感じ」という要望で製作したトランペットマフラー。コブラシートはオーナーが譲らなかった部位。

SISSY BAR

フロント周りのボリュームに合わせて高さを持たせて製作。テールライトはシンプルなスクエアタイプをセット。