TRIUMPH T140V 1975
SHALLOW MOTORCYCLE SHOP
チョッパー的なニュアンスを持つ
トライアンフカスタム
元々はフルノーマルだった1975年式のT140Vだが、トライアンフをカスタムしようと考えると、ダートトラッカーやカフェスタイルが真っ先に思いつく。しかし『シャローモーターサイクル』の浅井さんが作り上げたのはチョッパーだった。
「この前にも同じT140Vに乗っていたんですけどそれが売れてしまったので自分用に作ったんです」と話す。自分用に作るとなると、思いのすべてと技術力のすべてを込めたくなるものだが、意外にも「ちょっと軽い感じで」とライトな仕上げとなった。その方向性も、「チョッパー的な要素を入れてるつもりですね、でもちょっとだけ」と、控え目だ。
T140Vをベースにカスタムすると、最初にブチ当たる壁がオイルインフレームだ。そこに手をつけるとなると大掛かりになるし、手をつけなければ骨格が変わらないどころかオイルタンクの存在が表に出ない状態となるので、方向性を分(わか)つこととなる。
浅井さんが選んだのは、オイルインフレームに手を加えずそれを活かす方向。さらっと軽い感じのイメージへと固まった。チョッパーにするにしてもゴリゴリではなく、チョッパー的なニュアンスを軽く入れるといった脱力系。だから具体的にどこがチョッパー的であるか、という問いには答えようもない力の抜け具合だ。
それでいて頑なだったのはペイントの仕上がり。高品位のペイントを施すとなれば、そこは専門業者の登場だ。しかし、浅井さんが望んでいたのはクラックの入った、ヤレたイメージの塗装。ペインターからすれば、塗装にクラックが入るということは失敗を意味する。考え方の違う両者では、反りが合うわけがない。
だからカスタム塗装はプロ級の腕を持ち、実際プロフェッショナルとして仕事も受ける自らが手がけた。ペインターにとっての失敗であるクラックのメカニズムを研究。収縮率の違う塗料を合わせたり、熱したり冷やしたりと実験を重ね、クラック塗装の技術を磨いた。無論、この脱力系トラチョッパーにはそのクラック塗装を施している。
純正同様に横開きする整備性のいいシートはワンオフ。このシートと同じようなタイプをシャローのオリジナルパーツブランド、『TRADS(トラッズ)』でも今後販売予定だ。
トラッズは昔からあるカスタムパーツに、シャロー的なニュアンスを加えカタチ作る。その守備範囲はトライアンフだけにとどまらず、ハーレー用のシフトレバーからをラインナップ。国産用にミリサイズのドッグボーンライザーなども用意している。
(文/野上真一)
TRIUMPH T140V 1975 DETAIL WORK
HANDLE
チョッパー的なニュアンスがどこにあるかと問われれば、ミドルエイプなハンドルバーが答えなのかもしれない。
HEAD LIGHT
ヘッドライトにはガイドのフォグランプを。スピードメーターはゴム製カバーを外すことでスマートに仕上げる。
FRONT FORK
19インチのリム、フェンダーレスとなったフロント周り。フォークはノーマルのままブレススタビライザーを装着。
GAS TANK
浅井さんが研究を重ねた末に完成したクラック塗装。ガスタンクにその技術を施し、このカスタムの個性となる。
SEAT
ワンオフシートは横開きで、整備性を備える。今後このチョッパーにはシッシーバーを装着する予定だという。
MUFFLER
パイプの取り回しが美しいパラレルマフラーはワンオフ。シートレールはストックのままとなっている。
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