H-D EVOLUTION
HAMANS CUSTOM
艶やかに駆け抜ける
追憶のロックダンス
見るほどに『ハマンズ』にしか創れない、主人の松本さんにしかカタチに出来ないバイクだと痛感させられる。チョッパーというよりは純然たるカスタムマシン。それは、玄人衆をも含めたカスタムへの熱量が高い人ほどに思い知らされていることだろう。
近年手掛けるチョッパービルドもまごうことなくハマンズの仕事だが、一転して、こうしたカーカルチャーの流れを汲んだスペシャルも同店のDNAの本流にある。よそのショップとはひと味違う価値観を懐に抱いた氏の本気は、ここにきてぐうの音も出ないほどの偉力を見せる。
「まあリジッドフレームのEVOエンジンで、コンパクトで、セルが付いてて、気負いなく乗れるカスタムを作って欲しいみたいな。だから作りたかったのはキックでエンジンかけるとかそういう類のものではなくてセルでさらっと乗れるバイク」
オーダーの時に参考に見せられたのは、2000年代に人気を博した北カリフォルニアのホットロッドビルダーが製作したバイク。
そこでその好みを念頭に置き方向性を共有したうえで、ハマンズ独自の手法で昇華。既成のスタイルを模倣するのではなく、現代版にアップグレードすることで無二なる威光を入手している。
さて、このカスタムに当たってはブレーキローターとスプロケットのカバーありきだったと言う。注文をもらうだいぶ前より、いつかはこういうアメリカのカスタムカー雑誌の広告に出てるようなホットロッドのブレーキカバーを作ってみたいと考えていて、それが今回のタイミングと合致した。
「いつかこういうなんやりたいなって。バイクでもできるんちゃうかなってずっと思ってました」と、意外なパートから始まったプロジェクトだが、全体を構成する他のエクステリアはやはり、カーカルチャーへの造詣が深い松本さんならではのトーンで奏でられる。
車体と見事なマッチングを見せるホイールはオールドタイプのPM製で、ガスタンクは一見シンプルなアール形状に見えてオフホワイトのスキャロップラインにエッジが計3つ立つ造形とされた。そしてテールライトには’39年のダッジ製を埋め込むなど、豊かに家宝の詰まった引出しのなかを慣れた手つきで開け閉めする。
はっとするほどにどのディテイルの仕立ても艶やかだ。そこにカミカゼピンストライプが生前最後にふるった深く、やわらかいペイントがあうんの呼吸で溶け込んでいる。その前向きの艶やかさが、一期一会のカスタムをてらいなくけん引してゆく。
HARLEY-DAVIDSON EVOLUTION DETAIL WORK
FRONT FORK
35φのフロントフォークにワンオフしたカバーを装着。ボリューミーかつタイトなシルエットを形成する。
BRAKE ROTOR COVER
カスタムの基点となるブレーキローターカバーはアルミ板を叩き出して製作。表面はブラスト仕上げとした。
GAS TANK
オフホワイトのスキャロップラインにエッジを計3つ立てたタンク。塗装は故カミカゼピンストライプによるもの。
OPEN PRIMARY
オープンプライマリーもホットロッドテイストにアレンジ。フィンカバーを取り付けてマットな質感で完遂。
SPROCKET COVER
ローターカバー同様にアルミ板を叩き出して成形。巧緻なエアスクープを付帯させ表面はブラスト処理とする。
TAIL LIGHT
テールライトに’39年のダッジ製を用い、フェンダー側をくり抜いてマウント。フェンダー中央にはエッジが立つ。
BUILDER’S VOICE
HAMANS CUSTOM
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