FATECHのハーレー ショベルヘッドのカフェレーサーチョッパー FXWG 1981年

H-D FXWG 1981
FATECH

January 19th, 2024

渇きをうるおした
ダベンポートの残夢

「影響受けたのはアメリカのダベンポートのスワップミートで見たマニアな親父が乗ってたナックルかな。そこ行った時になんか英車のフロントエンドとか付けたりして会場をぶんぶんやってたんですよ。全然洗練されてはなかったけどグッときちゃって」

FATECHのハーレー ショベルヘッドのカフェレーサーチョッパー FXWG 1981年

車体が垢抜けているわけでもなく突っ込みどころ満載だったそうだが、自分の好きなように楽しんでいる姿にかなり惹かれるところがあったと、渡辺さんは言う。そしてその場で、帰国したら自分もそんなテイストのチョッパーを作ろうと気持ちを固めた。

チョッパーといえばチョッパー。しかし念頭に置いたのは、1960年代後期のカフェレーサーで、かつてのロードレーサーに着装されていた伊国製レーシングパーツを使ったストリートバイクが知られざる命題だ。そこで氏はまず、フォークとドラムブレーキありきで作戦を遂行した。

FATECHのハーレー ショベルヘッドのカフェレーサーチョッパー FXWG 1981年

「アエルマッキもハーレーだったでしょ。だからそういう意味合いもあってヨーロッパ製パーツを多用してます。セリアーニフォークは一番レーシーなこのタイプの全長が短くて最低地上高が下がり過ぎるからフレームを作る必要があったんだよね」

FATECHのハーレー ショベルヘッドのカフェレーサーチョッパー FXWG 1981年

フレームは、既存のエンジンとミッションマウント以外のほぼ7割以上をイチから構築。メタルワークの名工として鳴らした腕はここぞとばかりに揮(ふる)われ、それは外装全般へと及び、確かなクオリティを持って本体を組成している。

FATECHのハーレー ショベルヘッドのカフェレーサーチョッパー FXWG 1981年

また、リアフェンダーは1.2mm厚の鉄板をトップとサイドの計3枚を叩き出してととのえるが、フチはビードローラーで一段リブを付けた後に内側へと曲げて整調。このハゼ折とも呼ばれる技法を使い折り込むことで強度を高めている。

FATECHのハーレー ショベルヘッドのカフェレーサーチョッパー FXWG 1981年

他にも、オリジナルを追求して用意したフレームのラグや、そこにパイプを接合する際には溶接ではなくロウ付けで措置するなど、技法や技術といった『技』の面で多様な手法が取られている。そしてこれが、今もなお氏が磨き込むフィールドであり、限りのない熱を注ぐ舞台である。

HARLEY-DAVIDSON FXWG 1981 DETAIL WORK

ショベルヘッドのチョッパー FXWG 1981年のフロントフォーク

FRONT FORK

セリアーニGPフォークとフォンタナドラムブレーキありきで始動。当時のレーシングパーツが雰囲気を高める。

ショベルヘッドのチョッパー FXWG 1981年のガスタンク

GAS TANK

1.0mm厚の鉄板を叩き出した分割式ガスタンク。中央パネルに入る彫金は神戸のシルバースミスフィンが担当。

ショベルヘッドのチョッパー FXWG 1981年のシート

SEAT

乗り込むほどに味わいを増すソロシートは鎌倉のアトリエチェリー作。その下にスイッチ系を縦位置に配備する。

ショベルヘッドのチョッパー FXWG 1981年のマフラー

MUFFLER

途中1-3/4から2インチへ径アップ。ルーバー加工されたヒートガードは本物のオートレーサーにちなんだもの。

ショベルヘッドのチョッパー FXWG 1981年のオイルタンク

OIL TANK

オイルタンクはアルミ製で、スリット部分はU字型に曲げたものをストレッチさせて丹念に積層していき作製。

ショベルヘッドのチョッパー FXWG 1981年のリアフェンダー

REAR FENDER

1.2mm厚の鉄板を叩いて均し、フチはハゼ折で強度を増す。フェンダーステーとマウント部はロウ付けで接合。

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