TRIUMPH BONNEVILLE T100 2002
HEIWA MOTORCYCLE
高年式車にも等しく踏襲される
「平和スタイル」ブランド
そのショップの名が、ひとつのカスタムスタイルとして世界に知られるというのは極めて稀有かつ誇らしいことではないだろうか。日本で言えばその例が、広島の『平和モーターサイクル』が世に放ってきた「平和スタイル」だと称しても異論はないだろう。今回紹介するマシンも、紛れもない「平和スタイル」を踏襲した一台である。
ベースは2002年式のトライアンフボンネビルT100。往年の名車と同じ名を冠され、クラシックなルックスを呈しつつ、中身は近代のテクノロジーが奢られている。
平和といえば旧車のイメージを抱くかもしれないが、実はこれまでもトライアンフやBMWなどのプロジェクトで高年式車を用いた数々のカスタムを提案してきている。
今回も過去作に倣った比較的ライトなプランで話は進んでいたが、カスタムを進める中でオーナーから「タンクを細くしたり、リアフェンダーをシートカウルにしたい」という追加のオーダーが入ったと言う。それならば、とオーナーのこだわりを突き詰めていった結果がこの一台だ。
フレームはストックのスタイルを活かしつつ、シートレール周りを純正より低くストレートな形状にリメイク。また、フロントエンドはストックを5cmほどローダウンした。同じく若干のローダウンを施したリアエンドとの組み合わせで、平和スタイルらしい車高の低さを演出する。
ガスタンクは純正のファットなものから、細身かつ流麗なラインが魅力的なワンオフタンクにスワップ。クラシックな外装は一気に精悍なルックスに様変わりした。
それに合わせてリア周りも一新。過去に3気筒エンジンのトライデントをベースに製作したマシン「Three Arrows」のリアエンド形状を気に入ったというオーナーに応え、同形状のカウルを製作した。このように、過去作にインスピレーションを得たオーダーは少なくないと平和の木村さんは話す。
マフラーも注視すべきセクションだ。真横から見ればストレートなポーカーパイプ然としているが、角度を変えて見れば実は、細身なスタイルを崩さぬよう車体に添わせた有機的な軌道を描いていることに気付く。高いセンスと技術を駆使した造形に驚かされるパートである。
車体色は爽快なブルー。木村さんがアンバサダーを務めている時計ブランド「ブライトリング」がリリースするアイスブルーのモデルと、往年のトライアンフが用いていたシェルブルー、それらにインスピレーションを受けたという美しい青が、精悍な車体に絶妙にマッチしていた。
(写真・文/マツモトカズオ)
TRIUMPH BONNEVILLE T100 2002 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルは平和がリリースする「50s BAR」をチョイス。アグレッシブな前傾のライディングポジションを生む。
GAS TANK
さらりと収まって見えるタンクだが、実は純正の無骨なフレームを巧みにかわしている。その技巧には脱帽だ。
ELECTRIC BOX
配線の多い現行車。それらをワンオフの電装ボックスに収める。ライトのHi&Low、スタータースイッチを配置。
SEAT COWL
シートカウルにはキジマのナノウインカーを配置。シート製作は全幅の信頼を置くスタッキー・トリムサービス。
REAR WHEEL
リアホイールは16インチに換装、ビンテージな雰囲気のタイヤを履く。テールは定番の平和テールをチョイス。
MUFFLER
その取り回しの妙に苦心の跡を垣間見るマフラー。リベットが効いたヒートガードのデザインにも注目したい。
BUILDER’S VOICE
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