ホンダスーパーカブのチョッパーディガーカスタム

HONDA Super Cub
T’s GARAGE(with MC GOODIES)

July 18th, 2023

合流前の門出を祝した
背水のディガースタイル

初対面の人と接した時に一般的なのが、全体的な雰囲気を通してその人柄を感じ取るというもの。しかし一方で、その枠にはまらずに、局地的な部分でキャラクターが滲み出るタイプの人もいる。今回のT’sガレージの山石さんがその筋で、発せられる声質に人間性が現れている。

ホンダスーパーカブのチョッパーディガーカスタム

きっちりした言葉つきや間の取り方、落ち着いた抑揚など、そのどれもに居住まいの良さのようなものが見て取れる。そしてもちろん全体的な雰囲気が合わさることで、当初の淡かった人間像がより濃い色彩を帯びて具象化されてゆく。

「今一緒に働いているモーターサイクルグッディーズ(埼玉県児玉郡)さんなんですけれども、そのYouTubeのチャンネルで名古屋の『JOINTS』に新作を4台出展するという企画だったんです。その一台がこれですね」

ホンダスーパーカブのチョッパーディガーカスタム

実は今後、グッディーズの柴崎さんと合流して仕事を行っていく山石さんだが、このカブは思いっきり自分が好きなスタイルで作ったものだと言う。また、普段の業務でハーレーのショベルヘッドを中心に消化する氏がカブをベースに選んだのは、思い入れがあるからだそうだ。

「やっぱり10代のころ新聞配達をしてたりとかですよね。カブって新聞屋さんのイメージしか多分皆さん持ってないと思うので、それがどれだけ変わるかやってみようかなというので自分が好きな’70年代のチョッパー風に作っています」

ホンダスーパーカブのチョッパーディガーカスタム

やるからには加減なしである。カブを象徴するフロントフォークのデザインこそ殺していないが、そこにツイストスプリンガーを合わせてカスタムの水準を高め、フレームワークもシート下とスイングアーム以外はオリジナルで新たに構築したものだ。そしてこれらの成形には、前職で溶接工を約6年経験してきたスキルが手際よく活かされている。

ホンダスーパーカブのチョッパーディガーカスタム

「まあ溶接すると鉄がどうしてもゆがんでしまうんですけど、そういう所もきちんとカタチを出してます。あとは本来薄い鉄板の上に厚い鉄板を溶接するのは大変な部分だったりするので、その仕上がりも見て頂けると嬉しいかなと思います」

ホンダスーパーカブのチョッパーディガーカスタム

直線的なプリズミックタンクや、鉄板を溶接して一段盛り上げたフォークのメッキ部分などがそれである。いつも馴染みのハーレーではなく敢えてのスーパーカブ。この辺のガチガチのルールにとらわれないしなやかな発想が、先のグッディーズと響き合ったのもなるほど、頷ける。類は友を呼ぶとはよく言ったもので、その人が心から肩を組む人を見れば、たくさんの説明は必要ない。

HONDA Super Cub DETAIL WORK

スーパーカブのチョッパーディガーのフロントフォーク

FRONT FORK

スーパーカブ固有のフォークデザインを活かした上で、その前側にワンオフのツイストスプリンガーをセット。

スーパーカブのチョッパーディガーのフロントエンド

FRONT END

フォークに鉄板を溶接し、そのメッキ台座でスプリンガーを補強。トレール量を稼ぐためロッカーアームも製作。

スーパーカブのチョッパーディガーのガスタンク

GAS TANK

ディガースタイルに合わせてプリズミックタンクをマウント。ハンドルも当然ティーラーバーをチョイスする。

スーパーカブのチョッパーディガーのフレームワーク

FRAME WORK

メインチューブ周りのフレームワークは新たに構築したもの。溶接工での経験値からつなげる加工は得意分野。

スーパーカブのチョッパーディガーのマフラー

MUFFLER

汎用品では物足りずスラッシュマフラーも一品で作製。マウントステーは曲線を取り入れたデザインで成形。

スーパーカブのチョッパーディガーのリアフェンダー

REAR FENDER

純正フェンダーを幅詰め加工。フチに丸棒を沿わせて、その流れのままアールを描いたステーへとつながる。

BUILDER’S VOICE

T’s GARAGE EIGHT BALL IRON WORKS

住所 埼玉県児玉郡上里町七本木712-7
電話 0495-37-3702
FAX 0495-37-3702
営業時間 8:30 ~ 17:30
定休日 日曜日