H-D EVOLUTION
BIKE GARAGE KOKORO
クロスで合わせる
ロー&ロングの開運
いまから20年以上前の、1990年代に大きな波を生んだカスタムスタイルの『ロー&ロング』。低く長い、ドラッグレーサーを思わす戦闘的なフォルムで評判を得たが、その人気はニュースクールやオールドスクールチョッパーの台頭で次第に薄まっていった。
とはいえ、その普遍的な『端整』は時代を経ても色褪せることはない。今回そこに目を付け、現代のカスタムへと昇華させたのは『バイクガレージココロ』である。
「ロー&ロングってビルダー泣かせなところがあるんです(笑)。でも逆に言うと、そこが腕の見せどころでもあるから僕はチャレンジしたかった。やっぱり人と同じじゃ面白くないし、そこを変えていかないともう先がないと思うんですよね(笑)」
作り手の内田さんの頭のなかには、単に’90年代の焼き増しを作る気など毛頭ない。ロー&ロングのカスタムを、令和のこの時代で輝かせるのが至上命題である。そこで氏は、『間の取り方』を煮詰めることで着実に、自らが思い描くシルエットへと導いていった。
「フレームはドラッグレーサーとして見るんだったら格好良い。でも街を走らせるとなるとこれどうなのよって。だからいろんな所の間の取り方が大切になってくるんです。タンクの長さからフェンダーの長さから全部ですよね」
また、これがソフテイルフレームだという点も捨て置けない。ショック機能を担保しつつ、リアフェンダーのクリアランスを極限まで追い込む。この可動部分のぎりぎりのせめぎ合いには大いに難渋するが、それはすべて事前に計算し尽くした『量感』への到達のためだ。
フレームのレイク角を3度寝かしてるのも0度ではフロントが若干詰まった印象になりハンドリングが重くなるからで、マフラー径も45φから48φへと途中で変改される。これは45φのままでは造作的に単調になるのと、マシンボリュームとのバランスが取れなくなるからで、こうした微に入り細に入った算盤(そろばん)はすべて、ふるいつきたくなるような量感成就へのプロローグである。
「この感じに持っていくのは本当に難しいと思うんで、そこにビルダー泣かせの要素があるのかなと。やった人だったら絶対分かるし、僕はみんなとは真逆にいってやりたいんですよ(笑)」
いたずらごころを持った店主である。少年から成人へは誰だってなれるし、他人と歩調を合わせるのもおそろしく簡単だ。でも、そこから一歩踏み出して、白い歯を見せ続けられる大人はことのほか少ない。
HARLEY-DAVIDSON EVOLUTION DETAIL WORK
FRONT FORK
3度レイクのオリジナルの三つ又に、プロワン製41φワイドフォークを装着。インナーはDLCコーティング。
GAS TANK
デザインとマウント位置共にジャストな造形になるよう製作。抑制のきいた加工物は同店の十八番である。
ENGINE
マグネトーを配備したEVOモーターのロッカーカバーにはEMD製を。メカニカルなオイルラインがアクセント。
SEAT
ソフテイルフレームにはジミードープ製シートを設置。フレームには狙い澄ましたゴールドのピンラインが走る。
MUFFLER
立体的デザインでボリュームを持たせたマフラー。45φから途中で48φへと変改され、マシン全体と均衡を計る。
REAR END
タイヤと干渉しないクリアランスぎりぎりにフェンダーをマウント。ホイールはローランドサンズデザイン製。
BUILDER’S VOICE
BIKE GARAGE KOKORO
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