H-D FX 1973
DICE MOTORCYCLE
あのフレーズにはためく
キックスタートマイハート
「友だちがバイクの免許を取りたいというのを言ってて、それを聞いて興味本位というか冗談半分でじゃあ私も取ってみようかなって。ちょうどそのとき仕事の方も落ち着いてたので免許を取ろうと思ってハーレーになりました(笑)」
こちらの1973年式ショベルヘッドのオーナーは女性だ。しかも、初めて免許を取って手に入れたバイクがハーレーである。いざとなれば男性よりも女性の方が肝が据わって行動的だとよく言われるが、やはりそれは案にたがわず、決めたが最後。購入するまでの道筋は一直線だった。
「なんででしょう? 国産よりハーレーの方が良いのかなって。怖いとかは全然何も思ってなかったですね。なんにも知らない状態で、ちょっと魅力的な部分がすごいあるなあって。国産にはないちょっとエロティックな感じが良いなと(笑)」
実は彼女、このハーレーの前に’82年式アイアンスポーツに乗っていたそうだ。でも、たまたま面倒を見てもらっている『ダイスモーターサイクル』に出物があると聞いて、なにげに実物を見ればひと目惚れ。カラーリングから何までに心を奪われ、悩んだ末にアイアンスポーツとのわずか半年間の蜜月の日々はそのまま新しい車両へとチェンジされた。
さて、こちらのFXだが、当初は100%に近い状態のオリジナルスタイルだったと主人の酒井さんは言う。つまり、スターターもなければフロントも若干短めの設定である。それを女性がオーナーであることを踏まえて改良し、まずはスターターを付けて、フロントフォークも操作しやすいように4インチほど延長された。
「だから’73年ですけどまあFXEに近い感じですね。キャブレターも純正のゼニスのままだと手で戻すタイプのインナースロットルなんでケイヒンのバタフライに換えてます。他の外装部分はウチにあった在庫を使ってます」
パッと見は純正のFXE。だけど’73年式のみに採用されたフロントのバナナキャリパーなど、見る人が見ればちょっと手が入ってるバイクを意識して、酒井さんはバランスよくまとめたそうだ。そんなマニアックな嗜好が潜んだバイクの全体のやれた感じを彼女は気に入ってるようで、以前のアイアンスポーツよりもパワフルな乗り味にも目を細める。
「オリジナルの状態から少しずつカスタムしてもらって良い感じだなと(笑)。あとはまあ、私もそうでしたけどもっと女性のライダーさんが増えていただければ素敵かなと思います」
HARLEY-DAVIDSON FX 1973 DETAIL WORK
HANDLE
ファン垂涎の2連のメーターが目を引くコックピット周り。ハンドルは乗り手のポジションに合わせて交換。
FRONT FORK
フロントフォークは4インチエクステンド。フェンダーには敢えて野暮ったい、前側がカットされた在庫品を装着。
FRONT CALIPER
‘73年採用のフロントのバナナキャリパー。パッと見は純正FXEながら手の入ってるのが分かる箇所だと言う。
GAS TANK
この1973年式のアイデンティティとなる通称ゴキタン。左右分割タイプから変更された記念すべきモデル。
ENGINE
キャブには純正のゼニスがセット。今ではレアなインナースロットル仕様だが操作性を考えてケイヒンに変更。
SEAT
シートとシッシーバーには’80年代のCCI製の在庫品を流用。シッシーバー内に象徴的オーナメントを添える。
BUILDER’S VOICE
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