JUNK RIDE CUSTOM MOTORCYCLEのショベルヘッド 4速フレームのカスタム1984年式

H-D FLH 1984
JUNK RIDE CUSTOM MOTORCYCLE

November 21st, 2022

尽きることのない
打てば響くアンサンブル

ホットロッドのテイストを取り入れたシャープなマシンで知られた北海道のカスタム屋である。’60年代のアメ車に精通し、そのフレーバーをバイクに散らしたオリジナルは、二輪畑ひと筋で来たショップとは一風変わった趣(おもむき)を漂わせている。

こちらのショベルヘッドは、以前渡辺さんが製作したレーサースタイルのマシンを気に入ったオーナーからの依頼だったと言う。そして最低条件としてセル付きと二人乗りが要求され、あとは『どれだけ小さく出来るか』という面に意識をそらさず取り掛かられた。

JUNK RIDE CUSTOM MOTORCYCLEのショベルヘッド 4速フレームのカスタム1984年式

「ドリームのヘッドライトをたまたま持っていたものですから、これをどうにか利用出来ないかって考えていた結果こういう形になりましたね。ホットロッドテイストのある昭和な感じ。とっつぁんバイクみたいな(笑)」

そうにこやかに話すものの、さすが幾多のアメ車と深く向き合ってきた氏なだけに審美眼は紛れもない。ともすれば敬遠しがちなこの難易度の高いボックス型のヘッドライトありきでカスタムは発動された。

JUNK RIDE CUSTOM MOTORCYCLEのショベルヘッド 4速フレームのカスタム1984年式

最初に、主軸のライトに合わせてナセルを成形。そこを基点として全体の外装が構築されてゆく。さし当たっては『乗りやすくナロー』なフォルムにピントを合わせ、フロントに41φのナローフォークをセットし、リアは11.5インチショックを内側に2cm、左右で4cmほど詰めてマウントした。

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッド 4速フレームのカスタム1984年式

「オーダーの二人乗りですけど、カバーを外せば後ろのシートが出てニケツ出来るようになってます。ここを鉄板で作るのが大変でしたね(笑)。あとは人が乗った時に一番カッコ良く見えるようにという」

渡辺さんは全体を眺め、ひとつずつ違和感を感じた箇所を消していってバイクのバランスを取っているそうだ。幅を合わせたり線を合わせたり。全体像のアウトラインに意識を集中させ、最終的に乗りやすいバイクであるようにと、そこに誤差なくピタリと着地させている。

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッド 4速フレームのカスタム1984年式

シックな色調も同店固有のアンサンブルだ。派手なカラーリングとは対極的な、しっとりと穏やかなトーンで一面を包み込む。氏の弟さんが最後に塗ったそれは、どの色味よりもこのマシンをさり気に引き立て、作り手の世界観をしなやかに支えている。

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッド 4速フレームのカスタム1984年式

「リジッドではなく4速フレームの方が技術とかセンスが問われてくるのかなというのが自分の中であります」。尽きることない思い入れのあるバイクを前に、体温計では計れない、胸のずっと奥深くの温度が上がっている。

HARLEY-DAVIDSON FLH 1984 DETAIL WORK

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッドカスタム1984年式のハンドル

HANDLE

ハンドルはワンオフで、ライザーはFORK製をベースにリメイク。操作性を考慮して手前にプルバックされた。

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッドカスタム1984年式のフロントフォーク

FRONT FORK

ホンダのドリーム用ヘッドライトを主軸にカスタム開始。ナセルを造作し、三つ又は41φ用ナロートリプル。

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッドカスタム1984年式のガスタンク

GAS TANK

全体との調和を図りナローなシルエットに成形。塗装は氏の弟さんが手掛け、両サイドにピンラインが入る。

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッドカスタム1984年式のプライマリーカバー

PRIMARY COVER

1次駆動はクローズドのベルトドライブ。ゴミや空気の抜けを考えメッシュデザインのパートを取り入れた。

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッドカスタム1984年式のマフラー

MUFFLER

マフラーは車体の大きさに合わせて単一で創作。鉄板を巻いてサイレンサーを用意し、パンチングパイプを挿入。

JUNK RIDE MOTORCYCLEのショベルヘッドカスタム1984年式のシートカウル

SEAT COWL

シートカウルを外すと二人乗り部分が出る仕組み。オイルタンクはバッテリーが見えないようニコイチで造作。

BUILDER’S VOICE

JUNK RIDE CUSTOM MOTORCYCLE

住所 北海道美唄市大通東1条南7丁目1-35
電話 0126-66-2380
FAX 0126-66-2381
SHOP JUNK RIDE CUSTOM MOTORCYCLEのショップ紹介
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