H-D VRSCF 2012
SUN MOTORCYCLES
したたかに燃焼する
懐古のレイトンブルー
店内には活気がある。全国どこのカスタムショップを見て回っても淀んだ空気が流れているところなんて滅多にないが、にしても、よりフレッシュな印象だ。それはこの業界では珍しく、店主立岡さんの元で30代と2名の20代スタッフが働いているのが大きな要因だろう。なので、おのずと集まって来るお客さんの年齢層も若手まで広がり、その輪から炭酸のように弾けるエネルギーが漏れ出ている。
下は10代から上は80代のベテランライダーまでを一手に引き受ける立岡さんだが、このVロッドはそんな氏が多感な時期に衝撃を受けたものがポイントにある。F1レーサーのレイトンハウスがそれで、これを見て1980年代後半から’90年代前半に活躍したあのカラーリングが分かる人はかなりの通(つう)といえる。
「お客さんが乗り換えを考えながらもこのVロッドをカスタムしようか迷ってたんです。それでやっぱり愛着があるということでフルカスタムすることになった。外装を全部やり替えて、ある程度お任せという感じでした」
お任せとは言え、お客さんがネットなどで検索して持ち込んだ希望のスタイルに耳を貸し、そのまま取り付けたのではバランスが悪くなる部位に対してはこちらから提案することで軌道修正。全体のラインと色に重きを置いて製作された。
まず、タンクカバーにバッドランド製を選択し、前後フェンダーとラジエターに独国カルトワーク製を採用。そしてホイールには前後共にPM製を用いて、リア周りにはレジェンド製エアサスをセット。これら外装一式は豪奢なパーツ群で固められた。
そして先の、F1レーサーのレイトンハウスを象徴したエメラルドグリーンである。当時レイトンブルーとも呼ばれたこの上品な色味を全体に彩るのではなく、黒ベース上にラインを走らせることのみとすることでしたたかに美を披露。この辺の緩急の使い分けが、かつて栄光を極めたカラーリングの輝きを増すことになる。
「ラジエターカバーのデザインを見てF1のイメージが湧いてきたんです。当時のレイトンハウスの色が結構好きだったんで、それを表現したいなと。外装の形に合わせてスタイリッシュなコアラインを作っていったような感じです」
VロッドとF1レーサー。こうして見ると意外なほど相性の良い両者だが、これが他のエンジンモデルならきっとそうはいかないはず。時代を超えてつながったまさかのコラボレーションには、ほんのりと、同質の感覚のくすぐりがある。
HARLEY-DAVIDSON VRSCF 2012 DETAIL WORK
FRONT FORK
倒立フォークは純正で、トリプルツリーをブラックアウト。Vロッドのアイコン的ヘッドライトもノーマルを使用。
FRONT WHEEL
唯一カスタムする前から付いていたPM製ホイール。F1のイメージを得たラジエターカバーはカルトワーク製。
AIR CLEANER BOX
Vロッドの場合ガスタンクではなく内部はエアクリーナーボックスとなる。カバーにバッドランド製をセット。
REAR FENDER
リアフェンダーもドイツのカルトワーク製。レイトンブルーのラインが入り、シートに同色のステッチが入る。
SUSPENSION
リアサスにはエアサスペンションサプライヤーの第一人者として定評のあるレジェンド製エアサスを搭載。
REAR WHEEL
リアホイールにPM製を。マフラーはバッサーニ製を採用し、リアフェンダー後方に小型灯火類が埋め込まれる。
BUILDER’S VOICE
SUN MOTORCYCLES
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電話 | 082-296-0330 |
FAX | 082-296-0330 |
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