TRIUMPH T120 1969
ENJOY MOTORS
現代のTON-UP BOYに捧ぐ
才貌両全なスピードスター
トライアンフ等の英車を得意としつつ、時にハーレーや日本車までも幅広く扱う熊本の『エンジョイモータース』。昨年末の横浜ホットロッドカスタムショー2021では十八番のトライアンフチョッパーを2台エントリーしてフリークたちを沸かせていた。今回は、その中の1台である。
オーナーがこのマシンを手に入れたのは約10年前。少しずつ形を変えて乗ってきたマシンは、昨年の千里浜サンドフラッツのレースに参戦し、そして横浜への出展のため思い切ったリメイクが施された。
「今回は外観の一新はもちろんですけど、オーナーがとにかくスピード狂なので、それに耐えるフロントと、それに耐えるエンジンを考えました」。そう話すのはビルダーの田中さんだ。
ビジュアルよりも重きを置いたのは『走り』。そのために元来650ccであるエンジンの腰上をT140純正の750ccのものにスワップ。また、ミッションも同じくT140用の5速ミッションに換装した。
「トラって’30年代から設計は変わってないんです。ボアが変わったり、クランクの形状が少し変わったりはあるけど、基本設計はほぼほぼ一緒なので、こういうスワップをすることはよくあるんです」。トルクアップを図ったこの換装により、かなりパンチのある走りに変わっていると言う。
もう一つ重要視したのが足周り。周知のように、トライアンフはよく回るエンジンに対し、フロントフォークの頼りなさが難点と言われる。そこで今回、フロントエンドはセリアーニの35mmオールドGPに変更している。
「純正よりも剛性が高いし、やっぱり高速での安定性が全然違います。レースでよく使われていただけあって、スピード出してもロールしないんですよね」。次いで、走行性能の面ではマフラーも注目すべきポイントだ。
「作ってくれたのは埼玉県のストゥープモーターサイクルズのモーリーさんです。オーナーがモーリーさんの大ファンで、横浜出展を機に製作をお願いしました。パイプ径はパワー不足の感があった38mmから45mmに換えてもらってます」
外装を彩るペイントワークも注目だ。トライアンフの純正色『シェル・ブルー』をベースにORVIS ONEが塗装とピンストライプを担当。エッジの効いたピンストライプはマシンの精悍さをより一層高めている。
こうして才色兼備に一新されたマシン。実際に走りを目にしたが、心地よい低音の排気音を連れて伸びやかに加速して走り去る姿は実に痛快。オーナーにとって最高に楽しい一台であることは疑いようがない。
(写真・文/マツモトカズオ)
TRIUMPH T120 1969 DETAIL WORK
DRUM BRAKE
ブレーキは制動力の高さで知られるツーリーディングドラム。加工屋のオーナーがサポートを製作している。
GAS TANK
純正タンクに『TRIUMPH』を描いたデザインはモーリー氏の発案で、実作業はORVIS ONEが担当している。
OIL TANK
オイルタンクは整備性を重視しキャップがフレームの外側にある’50年代純正に変更。ミニマムラインが粋だ。
MUFFLER
モーリー氏製作のエキゾースト。パイプの軌道、ヒートガードのデザインに氏のクリエイティビティが現れる。
SEAT
オーナー持込みのベイツ製TTシート。その造形に合わせ、フレームのループの角度を上げている点に注目。
REAR FENDER
Rフェンダーは純正をカット。サブフレームも外している。テールはBECKのルーカスにCat Faceレンズ。
BUILDER’S VOICE
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