H-D FXDL 2000
DRAG ON
扉の先にたたずむ
眠れる森の執事
ハーレーのダイナモデルといえば、今なお根強い人気を誇るクラブスタイルのカスタムへと針路を取るのが通例だ。が、作り手の速水(はやみず)さんはそのトレンドとは別軸の、カフェレーサースタイルへと手を加えた。
「お客さんから依頼を受けたことをやらせてもらったバイクですね。部品も本人のチョイスで持ち込んでもらって、それをあてがってバランスを見て取り付けていった感じです」
オーナーの付けたい部品があらかじめ決まっていたことからそれを受け取り、元々自分の頭の中にあったカフェスタイルのイメージと結び付けて組み込んでいったそうだ。また、今までにもこの手のカスタムを手掛けたことはあるものの、ココまではっきりと主張したものは初だと言う。
全体的には持ち込みパーツを主軸として、それだけでは理想とするシルエットに届かない箇所のみワンオフで製作された。まず、フォークはノーマルをそのまま使用し、スプリングのみサンダンス製トラックテックに換装。同じくリアサスにもトラックテックを採用している。これは走りのパフォーマンスを追求する同店が信頼を寄せる、安定のセットアップだ。
次に外装である。ガスタンクやシートカウル、ヘッドライト、ハンドルなどはほぼオーナー持ち込みのパーツで、バックステップ化したフットコントロールは単一で作製。しいて言うなら特に右側に苦慮したとのことだ。
「右のフットコントロールですね。あらゆるスペースがタイトだったんですよ。あとはまあ、ノーマルのリアマスターを活かすためにリンクを介してっていうのはやってますけど」
サイレンサーやエキパイなど使いたいパーツが決まっていたため、毎回配慮しているシンメトリーを崩さないように調整していくと、どうしても外へ外へと出てしまう。そのスペースの加減に手間取ったと、氏は話す。
一方、マフラーは手持ちのバッサーニ製フルエキゾーストのサイレンサー部をカットしてエキパイのみを活用。そしてそこにシガータイプのサイレンサーを接合。1本10何万円するパーツを贅沢に使った知られざるパートである。
「まあ時間の制約が多少あったので気持ち的にちょっと慌てたところはありますけど、最終的には自分の中で納得出来る物が出来たので良かったと思います」。続けて作り終えた感想を尋ねると、いつも通りです、との返答だった。それは、依頼された希望を具現化することであり、そこに一途な志(こころざし)がある。
HARLEY-DAVIDSON FXDL 2000 DETAIL WORK
HANDLE
カフェスタイルの定番アイテムであるセパハンを装着。多数持ち込まれたオーナー持参パーツのひとつとなる。
FRONT FORK
フォークはノーマルを使い、スプリングのみ足周り性能を改善するサンダンス製トラックテックをインストール。
FOOT CONTROL
バックステップ化したフットコントロールはワンオフ。ノーマルのリアマスターを活かすためリンクが介される。
MUFFLER
バッサーニ製フルエキゾーストのサイレンサーを切りエキパイのみ採用。サイレンサーはシガータイプを取付。
SEAT COWL
汎用シートカウルの水平ラインを出すため、下側の支えになる箇所を鉄棒でワンオフ。フレームに溶接される。
REAR END
フロント同様にリアサスペンションもサンダンス製トラックテック。ナンバーステーは単一で作り黒く塗装。
BUILDER’S VOICE
DRAG ON
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