HARLEY-DAVIDSON FXR 1988
INDIGO CUSTOM CYCLE
手練の仕立て屋が創り上げた
ストリートを駆ける美しき猛虎
ハーレーのショベルヘッド以降のビッグツインモデルを中心に、スポーツスターや国産車など幅広い車種を扱いつつ、近年はFXRやダイナベースのスピードクルーザーを手掛けている『インディゴカスタムサイクル』。このマシンは、同店が製作した中でもだいぶ強烈な一台だ。
「最初は『普通に乗れるFXRがいいな』というオーダーだったんで、ここまでのカスタムをする予定ではなかったんです」、と話すのは代表の長谷川さん。そしてそのカスタムプランが大幅に変わったのは、このマシンの象徴とも言えるパワートレインに起因しているそうだ。
「V124と言って、S&Sが60周年記念にリリースした世界60基限定のエンジンです。最初はツインカムを積むという話もあったんですが、運よくこれが手に入ったのでエンジンありきでやりたいことが次々に湧いてきましたね」
確かに、この強心臓である。ストックの足周りでは心許ない。そのためこうして(フレームこそアンカットではあるが)エンジン以外のパートも徹底して刷新されることに。
まずフロントはクラウス×オーリンズの倒立フォークに換装。スペシャルオーダーでFXR用のステムにダイナ用のホイールを履く仕様とされている。そのホイールは前後ともにアルミ鍛造のGLIDE製S18を選択、タイヤは長谷川さんイチ押しのブリヂストンT31を履く。
Rサスにもオーリンズのブラックラインを奢り、またブレーキは前後ともブレンボに換装されてストッピングパワーを確保している。さらにトランスミッションはベイカーの6速スピードで、ギアレシオを選べることから、下から上までパワーバンドを外さず走れるようオーダーしていると言う。
そしてニッケルコートされたエンジンに合わせた塗装にも注目だ。「各部のパーツが派手なので、外装は全体のトーンを落とすために艶消しにしています。フレームも金属っぽい色合いにして、エンジンだけが浮かないようにしました」。
マシンのコンセプトは、力強く走り、どんなシチュエーションでも負けない『虎』。その意志は、外装を彩るストライプからも感じ取ることができる。
製作時に最も留意したのは、「主張の強い部品を素材にしつつも、それらを車体の上でバランスよく、カッコよく存在させること」。その言葉の通り、随所に垣間見えるメタルワークを味付けに、個性的なパーツ群を手なずけ、均整の取れた一台に仕立てたFXR。
まぶたの裏で像を結んだ『虎』は、間もなくストリートに放たれる。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FXR 1988 DETAIL WORK
HANDLE
MJKのライザーに、ハンドルはプロテーパー。グリップはVANS。スイッチ類&ウインカーはモトガジェット。
GAS TANK
純正タンクにえぐり加工。メーターダッシュはワンオフ。モトガジェットのキーレス「mo-Lock」システムを搭載。
ENGINE
刻まれた『1958-2018』の文字が記念モデルであることを示すS&S“V124”。124cu.in(=2,032cc)の排気量を誇る。
PRIMARY
BDLのクローズドベルトドライブ。ベルト冷却のためプライマリーカバーにエアクリーナーと合わせてドリルド。
SWING ARM
スイングアームは軽量・高強度を誇るトラックダイナミック製。リアに伸びるのはワンオフのナンバーステー。
REAR FENDER
RWDのフェンダーをベースに、ナロードやテールランプの埋め込み、リブ付けなどの加工を行ったRフェンダー。
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