H-D FX 1982
SATOMARI MOTORCYCLE
ショップの新生を記念する
大人の男が似合うメモリアル
広島県尾道市。穏やかな瀬戸内海に面したこの港町で、30年以上の歴史を持つ「さとうマリンサイクル」。その店名の示す通り、船とバイクを取り扱うショップだ。そんな同店から、カスタム部門が独立。昨年より店名も新たに『SATOMARI MOTORCYCLE』として門出を迎えている。
今回紹介するのは、独立して初のカスタムショー出展車両となったメモリアルなショベルチョッパー。「生まれ年のバイクに乗りたい」というオーナーの要望に応え、’82年式ショベルベースでの製作がスタートした。
「最初はライトカスタムの予定だったんですが、途中でホットロッドショーに出そうと決めて、お客さんにも了承してもらってフルカスタムになったんです」。そう話すのは、同店の店主兼ビルダーの佐藤さんだ。
まず手を入れたのはフレーム。4速フレームをベースに、メインチューブはネックからシートまで一直線にリメイク。2インチ前方と、2インチ上方に伸ばしたフレームワークは佐藤さんのフェイバリットだという。結果、オリジナルフレームはエンジンマウント部を除いてほぼリメイクされた。
トリプルツリーは39φ用を加工し、41φのフォークをセット。これによりむっちりとしたマッチョな雰囲気を醸す。前後ホイールはフロント23インチ/リア17インチのセットアップ。リアタイヤは180幅をチョイスし、下品にならない絶妙なバランスを演出する。
一方、ガスタンクはフレームの直線を強調すべく下部をストレートなラインに。下から止めているマウント部の作りには苦心したそうだ。続いてリアフェンダーはオーナーが大柄であること、また振動によるビビりを抑えるべく1.6mm厚の鉄板から製作。その厚さゆえ、こちらも加工に苦闘したパートだ。
そして特徴的な軌道を描くマフラーは、以前から佐藤さんが試したかったデザインであった。開いた排気口ゆえ、溶接痕を隠すべく銀ロウを盛っては削り……が繰り返されている。
最後に塗装は氏が信頼を寄せる静岡の『フリースタイルペイント』を招聘し、何度も調色が繰り返された。ネイビーを基調に赤&シルバーのラインが車体をより気品あるものとしている。
こうして完成したマシンは横浜ホットロッドカスタムショーに出展され、現在海外でも高い評価を得ている。
マシンのコンセプトを問うと「大人の男、それでいてオシャレな男が乗るショベルですね」と答えてくれた佐藤さん。その言葉通り、実に均整の取れた美しいマシンである。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FX 1982 DETAIL WORK
HANDLE
スリットの効いたワンオフのドラッグバー。右レバーを握ると、Rキャリパーのひとつが作動する機構になっている。
GAS TANK
メインチューブを覆う長さで容量も確保。アルミのダッシュにはモトガジェットのキーレスキットも備えている。
OIL TANK
シート下にはオイルタンクと電装ボックス。車体色と同じ部分がオイルタンク、メッキ部が電装になっている。
BRAKE SYSTEM
BDLの2インチセル付きオープンキットにワンオフのベルトガード。その後ろに見えるのはブレーキユニット。
FOOT PEG
エンドに向けて太くなる形状のペグは足を楽に置けるという。緊急時、キックを取り付けられる機構を備える。
REAR END
Fブレーキレスのため、リアにPM製キャリパーを連装で装備。Rサスは少し寝かせた角度にマウントした。
BUILDER’S VOICE
SATOMARI MOTORCYCLE
住所 | 広島県尾道市古浜町7-69 |
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電話 | 0848-25-2829 |
FAX | 0848-25-2829 |
SHOP | サトマリモーターサイクルのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 月曜日 |