SUZUKI ST250 2005
HEIWA MOTORCYCLE
街に映え、ダートを駆ける。
平和メイドのスクランブラー
唯一無二の『平和スタイル』で広島から世界にその存在を発信する平和モーターサイクル。その平和が最近、新たな試みで各国のメディアから注目を集めている。代表の木村さんが自らの足としても駆る、国産250ccをベースとしたカスタム・スクランブラーがそれだ。
「以前から、ストリートでも映えて、オフも走れる『スクランブラー』というスタイルが好きだったんです。これまでも(BMWの)RnineTやモンテッサをベースにしたスクランブラーを作ってきて、それをもっと手軽に国産250で作れないかとグラストラッカーで作ったら、すごく周りの反応がよかったんです」。
今回紹介するマシンは、スズキのST250をベースとしている。かつてスズキの販売店でバイク屋としてのキャリアをスタートさせている木村さんならではのチョイスだ。
ストック状態のSTを知る者であれば、少々野暮ったいスタイルのSTが精悍なスクランブラーに生まれ変わっていることに驚くだろう。しかし足周りなどはストックを用いており、またフレームもシートレール近辺をカットしたのみ。変身の要因は絶妙なパーツチョイス、そして同店の真骨頂であるメタルワークにある。
まず目を引くのはユニークなデザインのタンク。スズキのヴィンテージオフロードバイクのタンクを、トンネル周りを加工して装着。そのエッジの効いたデザインがマシンの勇壮さを演出する。
山吹色のようで黄土色の雰囲気もある、独特なソリッドカラーで染めたタンクに対して、その他の外装には色を配していない。ワンオフの前後フェンダーはメッキで仕上げ、同じくワンオフの電装ボックスはブラックアウトしている。これにより比較的高年式なSTを、より一層ヴィンテージオフロード然とした佇まいへと昇華させている。
マフラーもこのマシンを語る上で欠かせないファクターだ。純正は右出しのダウンマフラー。それに対しこのマシンは左出しのアップマフラーとなっている。
「右にはキックがあるので、それをかわしたりする細工が必要ですし、スッとした見た目にするには左だろうと判断しました。フロントからリアまで、シャープなラインを出したかったんです」
改めて車両全体を見てみる。ライトウェイトで精悍、均整の取れたこのマシンを眺めていると、街を爽快に走る姿も、またオフを軽快に走る姿も容易に想像ができるだろう。そしてこれこそが、木村さんが目指した平和メイドのスクランブラーなのだ。
(写真・文/マツモトカズオ)
SUZUKI ST250 2005 DETAIL WORK
HANDLE
オフロード用ハンドルにはオリジナルの平和バーパットを。ロゴデザインはLOU Peace Designによるもの。
TIRE
タイヤは前後18インチ。ナローな車体に合わせ、細身な3.50幅キャラメルブロックのダンロップK950を履く。
BRAKE PEDAL
純正ペダルはダウンマフラーを避ける造形のため、アップマフラー採用により新たに製作したブレーキペダル。
ELECTRICAL BOX
三角のフレームに端正に収まる電装ボックスにバッテリーや配線類を集約。イグニッションとセルボタンを配す。
MUFFLER GUARD
オーナーの「見た目を損なわず、熱くないもの」という要望に応えたマフラーガード。造形に平和らしさを見る。
REAR END
タイヤの頂点より前にループを配し、フェンダーをつけるのが平和の定石。テールランプはもちろん平和テール。
BUILDER’S VOICE
HEIWA MOTORCYCLE
住所 | 広島県廿日市市阿品1-11-16 |
---|---|
電話 | 0829-30-6001 |
FAX | 0829-30-6001 |
SHOP | HEIWA MOTORCYCLEのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 20:00 |
定休日 | 火曜日 |