スズキST250のスクランブラーカスタムバイク 2005年

SUZUKI ST250 2005
HEIWA MOTORCYCLE

July 1st, 2021

街に映え、ダートを駆ける。
平和メイドのスクランブラー

唯一無二の『平和スタイル』で広島から世界にその存在を発信する平和モーターサイクル。その平和が最近、新たな試みで各国のメディアから注目を集めている。代表の木村さんが自らの足としても駆る、国産250ccをベースとしたカスタム・スクランブラーがそれだ。

スズキST250のスクランブラーカスタムバイク 2005年

「以前から、ストリートでも映えて、オフも走れる『スクランブラー』というスタイルが好きだったんです。これまでも(BMWの)RnineTやモンテッサをベースにしたスクランブラーを作ってきて、それをもっと手軽に国産250で作れないかとグラストラッカーで作ったら、すごく周りの反応がよかったんです」。

今回紹介するマシンは、スズキのST250をベースとしている。かつてスズキの販売店でバイク屋としてのキャリアをスタートさせている木村さんならではのチョイスだ。

スズキST250のスクランブラーカスタムバイク 2005年

ストック状態のSTを知る者であれば、少々野暮ったいスタイルのSTが精悍なスクランブラーに生まれ変わっていることに驚くだろう。しかし足周りなどはストックを用いており、またフレームもシートレール近辺をカットしたのみ。変身の要因は絶妙なパーツチョイス、そして同店の真骨頂であるメタルワークにある。

まず目を引くのはユニークなデザインのタンク。スズキのヴィンテージオフロードバイクのタンクを、トンネル周りを加工して装着。そのエッジの効いたデザインがマシンの勇壮さを演出する。

スズキST250のスクランブラーカスタムバイク 2005年

山吹色のようで黄土色の雰囲気もある、独特なソリッドカラーで染めたタンクに対して、その他の外装には色を配していない。ワンオフの前後フェンダーはメッキで仕上げ、同じくワンオフの電装ボックスはブラックアウトしている。これにより比較的高年式なSTを、より一層ヴィンテージオフロード然とした佇まいへと昇華させている。

スズキST250のスクランブラーカスタムバイク 2005年

マフラーもこのマシンを語る上で欠かせないファクターだ。純正は右出しのダウンマフラー。それに対しこのマシンは左出しのアップマフラーとなっている。

「右にはキックがあるので、それをかわしたりする細工が必要ですし、スッとした見た目にするには左だろうと判断しました。フロントからリアまで、シャープなラインを出したかったんです」

スズキST250のスクランブラーカスタムバイク 2005年

改めて車両全体を見てみる。ライトウェイトで精悍、均整の取れたこのマシンを眺めていると、街を爽快に走る姿も、またオフを軽快に走る姿も容易に想像ができるだろう。そしてこれこそが、木村さんが目指した平和メイドのスクランブラーなのだ。

(写真・文/マツモトカズオ)

SUZUKI ST250 2005 DETAIL WORK

スズキST250スクランブラーのハンドル

HANDLE

オフロード用ハンドルにはオリジナルの平和バーパットを。ロゴデザインはLOU Peace Designによるもの。

スズキST250スクランブラーのタイヤ

TIRE

タイヤは前後18インチ。ナローな車体に合わせ、細身な3.50幅キャラメルブロックのダンロップK950を履く。

スズキST250スクランブラーのブレーキペダル

BRAKE PEDAL

純正ペダルはダウンマフラーを避ける造形のため、アップマフラー採用により新たに製作したブレーキペダル。

スズキST250スクランブラーの電装ボックス

ELECTRICAL BOX

三角のフレームに端正に収まる電装ボックスにバッテリーや配線類を集約。イグニッションとセルボタンを配す。

スズキST250スクランブラーのマフラーガード

MUFFLER GUARD

オーナーの「見た目を損なわず、熱くないもの」という要望に応えたマフラーガード。造形に平和らしさを見る。

スズキST250スクランブラーのリアエンド

REAR END

タイヤの頂点より前にループを配し、フェンダーをつけるのが平和の定石。テールランプはもちろん平和テール。

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