H-D FLHXS 2016
EIGHT MOTOR CYCLE

すみやかに感知する
半歩先からの打ち出し

時代の潮流をつかんだ高年式ハーレーのカスタムを推し進める神奈川県『エイトモーターサイクル』。この2016年式FLHXS（ストリートグライドスペシャル）は今から約3年前に製作したもので、当時バガースタイルが興盛の中でそのムーブメントにまみれることなく、逆にクラブスタイルの方に振ったものだそうだ。

「こういうHXのバガー系が流行り出していた頃だったと思います。まあ敢えてそっち系にはしないで、ダイナとかのクラブスタイルに近付けていってます。今で言うパフォーマンスバガーの形になってたようなスタイルですね」

そこで作り手の田島さんにポイントを尋ねると、派手な見た目という回答が返ってきた。黒いカスタムが多いこのジャンルの中でのカラフルなレッドカラー。事前に全体をブラックパーツでまとめておくことで、外装の華やかなインパクトをより増長させている。また、一般的なバガースタイルだと走りづらいところがあるため、乗りやすさにも配慮して形を整えていった。

前後ホイールはノーマルで、それを黒色にパウダーコート。同じくフロントフォークも黒くされるが、中身をごっそりと入れ替え。レジェンド製のカートリッジ・サスペンションタイプに変更することで上質なライドフィールを入手した。更にこれが制動力の向上に一役買っている点も具合が良い。

「このカートリッジタイプはノーマルから比べると格別に乗りやすくなってます。曲がる時もそうですし、サスが粘ってくれるんでブレーキの効きも上がりますし。あとエンジンにハイカムを入れてるんでその辺も走りの良さにつながってますね」

ストックエンジンにTマンパフォーマンス製ハイカムを搭載。そしてエアクリーナーとマフラーにはパフォーマンスパーツとして名高い米国のトラスクパフォーマンス製で脇を締め、仕上げは自社に完備したシャシダイによるインジェクションチューンで万全の策を講じている。

見た目の華美なインパクトとパフォーマンスの帯刀。どちらか一つでよがることなく、2つの実弾を抱えて疾走するスタンスが同店の常道だ。ついで日頃からアンテナを張り、トレンドの半歩先を行く氏が今回仕込ませた部位もやはり気をそらさせないものだ。

「赤に合わせてスピードメーターも赤に光るデジタルのダコタ製です。あとはLEDのヘッドライト。普通LEDは狭い範囲を明るく照らすんですけど、これは角度が付いたときに広く照らしてくれるようになってますね」

FAIRING

フェアリングはノーマルを使い、ウインドシールドにスモークタイプを選択。塗装は宮城県のウェイクスが担当。

HANDLE

ハンドルとライザーはクラウス製で、レバーは欧州のオベロン製アジャスタブルで小ぶりなサイズ感が特徴。

WHEEL

ホイールは前後共に純正を使いパウダーコート、ローターのみガルファー製。フェンダーはクロックワークス。

ENGINE

ストックエンジンにTマンパフォーマンスのカムを挿入。エアクリーナーとマフラーはトラスクパフォーマンス製。

FOOT CONTROL

フットコントロールはPM製でフットボードはアレンネスの物。ダービーカバーにはトラスク製を採用する。

SIDE BAG

純正サイドバッグの蓋をスピーカー仕様に変更。サスはフロント同様にレジェンド製で予備タンク付きを設置。