ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1951年のカスタム

H-D FL 1951
DICE MOTORCYCLE

December 12th, 2020

足場を固める
いぶされた光沢

福島で年輪を刻んできた古株のカスタムショップである。いわき市で創業したのが2003年。以来、ことさらギラついた行動を見せるわけでもなく、すーっと一歩引いた立ち位置から沈着に工具を握り、目の前のバイクを泰然と処理してきた。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1951年のカスタム

カスタムのみでなくストックスタイルのバイクも多く手掛ける同店だが、今回のブランニューはビッとそつなく研ぎ上げられたオールドスタイルのチョッパー。40代半ばのオーナーの雰囲気に合わせて、あまり子供っぽくならないように、あくまでもさり気なく自然な体裁でととのえたと、作り手の酒井さんは言う。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1951年のカスタム

「ベース車の状態からベイカーの6速ミッションが載ってたんでそれを活かしたのと、マグネトーも最初から付いてたんでそれを使ってます。ポイントといえばそこですかね。あとは純正フレームを加工しないでそのままやったという感じです」

ニュートラルが通常の1速と2速の間ではなく一番前に来るオーバートップ6速仕様のため扱いやすく、シフトタッチも上々。また、元々調子の良かったエンジンとモーリス製マグネトーの調和も取られ、外観に比べておざなりにされがちな乗りやすさもしっかり確保される。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1951年のカスタム

一方、スタイリングはどうだろう。下手に奇策に走ることないこの王道のフォルムから発せられる凛とした佇まい。チョッパー好きを惹き付けてやまない普遍的な存在感には、両肩を捉えてグイっと振り向かせるような得もいえない力がある。

まずフロントには純正のワイドフォークを用いて、その幅に合わせてミディアムエイプのハンドルを装着。前後ホイールは21/16インチのスポークタイプで、タンクには好事家の支持を集める’76年製リバティータンクを選出。トーンを抑えた全体に馴染むグラフィックが大人の色つやを車体にプラスする。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1951年のカスタム

オイルタンクと6速ミッションとの兼ね合いもマーキングすべき箇所だ。今回は高さのあるベイカー製6速ミッションを搭載しているために、そのまま純正タイプのオイルタンクを収めようとすればどうしても当たってしまう。そこで外見は普通に見えて、実はタンクの内側を加工して素知らぬ顔で設置していたりもするわけだ。

ハーレー パンヘッドチョッパー FL 1951年のカスタム

「別に奇抜なデザインとかではないんですけど、自分なりにオーナーさんの雰囲気に合わせて、全体的なバランスを考えて組んでます」。派手さではなく、いぶし銀。このいぶされた光沢には、長い年月を費やして形成された地層のような安定がある。

HARLEY-DAVIDSON FL 1951 DETAIL WORK

パンヘッドチョッパー FL 1951年のハンドル

HANDLE

ドッグボーンライザーに、ハンドルはグライドフォークの幅に合わせたワイズのあるミディアムエイプを装着。

パンヘッドチョッパー FL 1951年のフロントフォーク

FRONT FORK

パンヘッド純正のグライドフォークを採用。前後共にメカドラムで、ヘッドライトは一般的なシールドビーム。

パンヘッドチョッパー FL 1951年のガスタンク

GAS TANK

タンクは’76年製のリバティータンク。アメリカ建国200周年を記念したアニバーサリーモデルをセット。

パンヘッドチョッパー FL 1951年のエンジン

ENGINE

ハイカムが入ったパンヘッドモーターにモーリス製マグネトーを合わす。ミッションはベイカー製の6速仕様。

パンヘッドチョッパー FL 1951年のオープンプライマリー

OPEN PRIMARY

乾式特有のサウンドを奏でるオープンベルトに、フットコントロール周りは乗り手の体型に合わせて製作。

パンヘッドチョッパー FL 1951年のリアエンド

REAR END

ほどよい肉厚のコブラシートに、無駄の無いシッシーバーは単一で造作。ライトにはルーカステールを選択する。

BUILDER’S VOICE

DICE MOTORCYCLE

住所 福島県いわき市平字五色町2
電話 0246-35-7750
FAX 0246-35-7751
SHOP DICE MOTORCYCLEのショップ紹介
営業時間 11:00 ~ 19:00
定休日 不定休

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