H-D XL883L 2014
一国CYCLE WORKS
素材を見極め
呼び込んだ理想郷
技術力と人柄。1935年創業の老舗の看板に甘んじることなく、常に向上心をもって工具を握り続ける『一国サイクルワークス』。横浜の良心としてオートバイ乗りに慕われ続ける代表の梅島さんが手掛けた一台は、『走れるスポーツスター』がキーワードだ。
「車種は883Lなんだけどウチでは883Hと呼んでまして、ローではなくハイ(笑)。なので883Lの車高を上げて普通に走れる、オートバイらしいスポーツスターを作りたかったんです」
元々気に入っていたエンジンのアルミポリッシュの見栄えと、ツーリングユースに十分使える17リットルというタンク容量。その辺を活かして、また、同店が製作販売するオリジナルパーツのデモ車的要素も兼ねてカスタムは送り出された。
「オリジナルパーツを見せることも踏まえてます。ハーレーならではですけどカスタムの仕方は千差満別じゃないですか。セオリーはないので、その中で自分の気に入った物を選んで頂ければと思ってます」
こうしたパーツの充実ぶりも同店の光彩のひとつだろう。さて、『走り』の方に目を向けたい。このモデルは既存の前後19/16インチホイールではなく、18/17インチというスポーツスター初のホイールサイズをピックアップ。以前より曲がりやすくなったこの特性を、梅島さんは車高を上げることで引き出している。
「スーパーローは低すぎてせっかく曲がるのに擦っちゃう。素材は良い子なんだけど惜しいなっていう所を改良してます。あとこのノーマルのホイールなんですけど、実は純正なのに凄い軽く出来てるんです。こういう所も良いですよね」
フロントにはオーリンズ製倒立フォークを装着。バネレートをコンマ5ほど柔らかく設定し、リアには同じくオーリンズ製ブラックラインシリーズのサスをセット。通常のスタンダード長336mmではジオメトリー的に若干物足りないことから、この347~355mmまで車高調が可能なタイプを選択。そしてフロント同様にソフト気味のセッティングとしている。
「自分が年を取ったのか、もう少しラグジュアリーでも良いんじゃないのかなって。昔みたいにサーキットを走るわけでもないけど、攻める時は攻めたい(笑)。だからこれぐらいの柔らかさが調度良いんですよね」
ワインディングへ行っても車体を擦ることなくひらひらと舞い上がり、洗練された横浜の街並みにも溶け込むエレガンス。当初掲げた『走れるスポーツスター』は成熟した大人のアーバンスタイルに姿を変え、匂い立つ。
HARLEY-DAVIDSON XL883L 2014 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルは同店オリジナルの『マックバー』。中央にスタビブリッジの付いたXRスタイルのステンレス製となる。
FRONT FORK
オーリンズ製倒立フォークのバネレートをコンマ5ほど柔らかく設定。フェンダーはファイバーで製作した一品物。
FOOT STEP
一国ポイントカバーに、横への張り出しを抑えて操作性を向上させる同店のインサイドステップキットを装着。
STEP PEG
ステップキットに同店のビレットシフターペグをセット。サイドスタンドにはエクステンションを付加する。
MUFFLER
スリップオンは同店の275ターンナウト。最小サイズとしたチェッカードベルトガードとビレットペグが付く。
SUSPENSION
サスは全長347mmのオーリンズ製ブラックライン。ライセンスレイダウンキットも同店のオリジナル商品。
BUILDER’S VOICE
一国CYCLE WORKS
住所 | 神奈川県横浜市鶴見区生麦5-12-14 |
---|---|
電話 | 045-342-5438 |
FAX | 045-508-6870 |
SHOP | 一国CYCLE WORKSのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 水曜日、第3火曜日 |