BMW Motorrad R nineT
CHERRY’S COMPANY
もはや届かない
世界がときめくコンプリート
一台すべてパッケージングされたR nineT(アールナインティ)のコンプリートカスタムである。事の発端は同モデルがデビューを飾る2014年。そのときBMW Motorradが販売促進の一貫として『R nineT Custom Project』なる企画を立ち上げ、そこでチェリーズカンパニーが披露したのがこのマシンだ。
「考えたのはBMWのカスタムじゃなくて、BMWのオートバイ。BMWのラインナップにはこういう物もあるんだっていうのを目指して作ったんです。結局個人じゃなくて会社からの依頼だったから沢山の人に向けたデザインにしようと思ったんですよね」
常日頃体を張るマンツーマンの世界ではなく、興味を持った全ての人を対象としたデザインにしないといけない。そこで代表の黒須(くろす)さんはおこがましいけどと前置きした上で、メーカーのデザイナーになったつもりで製作したと回想する。
そして結果的に、当時の公開で予想以上の注目を集めたことでコンプリート販売する運びとなった。「一番最初のは全部アルミで外装を作ったけどそれだと量産出来ないので今はカーボンです」。第一号機の型を樹脂で取っておき、それをベースに再度イチから原型をおこしていったそうだ。
タンクやシートカウル、フロントフェアリングなど主要な部位はすべてウェットカーボン製で構築。フォークはノーマルを2インチローダウンしたものだが、そのままでは圧縮した時の跳ね返りが強過ぎるため、短くてバネレートの堅牢なスプリングをオリジナルで製作してインサート。前後18インチのホイールもアルミのブランク材から削り出した一品物である。
次にマフラーはノーマルのステンレス製を有効利用。デザインこそ全くの別物だが大本は純正品で、それを切ってつないだものだ。確かにここでメーカーがコストをかけて十全に研究開発した『触媒』と『排気デバイス』を使わない手はないだろう。特にチェリーズのように規制の厳しい海外からのオーダーが多いショップにとってのアドバンテージはことさら大きい。
コンプリートカスタムとはつまり、誰もがこのスタイルのマシンを手に出来るということ。ベース車両を持っていてもいなくても、また無双のシルエットはそのままに、カラーリングやホイールなどのデザイン変更にもその都度応じている。
現在すでに世界の熱心な好事家のもとへ数台飛び立ったマシンだが、その栄えあるファーストコンタクトが、米国ハリウッド映画界随一のナイスミドルである事実にもまたくすぐられる。
BMW Motorrad R nineT DETAIL WORK
FRONT FAIRING
カーボン製フロントフェアリング。アウトラインに沿ってピンストが入り、左右の下部にメッシュパートを導入。
GAS TANK
表面はカーボン製タンクカバーで内側にインナータンクを設置。輸出国の規制に合わせて素材はその都度変更。
FRONT GRILL
メッシュデザインのグリルはFRP製。2インチダウンのノーマルフォークにはオリジナルスプリングを挿入。
REAR SUSPENSION
Rナインティ用オーリンズ製ショックを装着。ステップはワンオフで製作し、マフラーは純正品を流用加工する。
SEAT COWL
スピード感を醸すシートカウルはカーボン製で、サイドパネルへつながるデザインは各国の規制に応じて改変。
REAR TIRE
アルミブロック材から削り出されたシンプルなビレットホイール。純正17インチから18インチに仕様変換。
BUILDER’S VOICE
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