H-D SHOVELHEAD 1980
ENDO AUTO SERVICE
地平から疾走する
グースワイドの強襲
グースネックフレームのカスタムで悩んだら、まず真っ先に当たるべきショップである。横から見た時のシルエットがガチョウ(グース)の首を思わすところから名付けられたこのスタイルは、『遠藤自動車』の伝統芸。当時のブームだけで終わらせなかった一本気、長年積み上げてきたノウハウからして違う。
「コンセプトは低く、長くのなかで、タイヤを太くしてみたらどんなイメージになるのかなと(笑)。ユニークなところを狙って、まあ遊び心ですね」
同店で主流を占めるスタンダードなタイヤサイズのなかに、新たな提案として取り入れたワイドバージョン。すると、太いタイヤを好むお客さんからの需要が集まってきたと、番頭の大柿(おおがき)さんは言う。
「ポイントは、タイヤの太さももちろんですけど、マフラーとかもハンドメイド感たっぷりだと思うのでそういうところもですね。好きな方には受け入れられるんじゃないかなと思います(笑)」
いつだって笑顔を絶やさない氏に、用意しているグースネックの種類を尋ねると、大きくスタンダードとワイドの2つがあるとの返答を得た。タイヤがワイドになれば全長が長くなり、ネック角もより寝かされたシルエットになるそうだ。
なるほど。ただでさえインパクトの強い、地を這うかのグースネックカスタムのワイドバージョンはアグレッシブですらある。そして、走り出したときの姿はもはや、何かに突進するかのアタックモードを編成。ひと目見たら脳裏に残るこの印象は、他のカスタムスタイルにはないものだろう。
では、全体のディテイルを見渡したい。まずフロントフォークにミッドUSA製の74タイプを選択。ディスクブレーキ化にともない右ブレーキ用を揃えたこのフォークの登場頻度は高く、ガスタンクはオリジナルのコヨーテタンクを使用。オイルタンクはワンオフした物を設置する。
前後21/18インチのホイールには、リアに見せ場となる250ワイドをセット。その迫力を活かすようリアフェンダーは短めに加工し、縁にはステーからそのままつなげた鉄棒を這わせてアクセントにしている。マフラーの動的なデザインもハイライトだ。
最後に破格のライディングポジションを生むハンドルは、またがった時の腰の曲がり具合を吟味して作った物で、フットコントロール周りはソフテイルタイプを使用。そこにリビルドしたエンジンと5速ミッションをもって、疾走するように飛翔するように、後塵を散らす。
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1980 DETAIL WORK
HANDLE
トップクランプに直付けしたハンドルはゆるやかなアーチを持った造形。カチッと緊張感のある前傾姿勢を生む。
FRONT FORK
通常よりも更に寝かしたネック角にミッドUSA製74タイプのスプリンガーを装着。ディスクブレーキはAJP製。
SEAT
グースネックカスタムとの相性が高いソロシートを設置。その下にワンオフしたオイルタンクをマウント。
OPEN PRIMARY
オープンキットはBDL製2インチベルトで、操作系はソフテイルタイプを使用。ペグはオリジナルの真鍮品。
MUFFLER
ワイドタイヤ以外にポイントとしてとらえる動的デザインのマフラー。エンドにブラスキャップを付ける。
REAR FENDER
ステーがそのまま縁に沿うフェンダーは汎用品を加工。ペイントはシルバーとゴールドを使って自店で塗装。
BUILDER’S VOICE
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