H-D FLTRX CVO 2019
ANGIE MOTORCYCLES

新車から落とし込む
先がけのアンサンブル

いちカスタムジャンルとして確立された『バガースタイル』。その名の通りBagger（＝バガー）を語源に、ボリューミーなバッグの装備から芽吹いたカスタムだが、もちろんそれだけでは説明不足だろう。

他を圧倒するフェアリングや、パニアケースと呼ばれた大型ハードケース。それらファットでゴージャスな主要パートを皮切りに、タンクやフェンダーの意匠を凝らした造形や大径ビレットホイールなど、外装すべてのシルエットのインパクトが高いほどに『バガー』の得点は重ねられる。

いかに見る者の視線を集められるか。そんなバガースタイルが宿したキーワードに芯でとらえたスイングを見せるのが、アンジーモーターサイクルズによる2019年式FLTRX CVOだ。

「これまでも沢山バガーを作らせて頂いてるんですけど、その中でも一番というか、いま私が出来ることを積み込んだバイクという感じです（笑）。あとこのバイクは、あまり皆がやらない丸っきり新車ベースのカスタムなんです」

そして代表の佐藤さんは、一番のポイントはフレームが純正な点を挙げる。純正フレームでも本場アメリカを走っているようなバガー。多くのオーナーが目指すそのカタチを、フレームに手を加えることなく実現しているところが美点だ。

前後ホイールは30／16インチの緩急を付けたコンビネーションで、フロント周りの迫力を増幅させつつ、あえてリアホイールのサイズを抑え裏方に回すことでバッグセクションの造形を際立たせている。この辺の攻守に長けた采配は、バガーカスタムを多く手掛けてきた経験のなせる業。

一方、フロントフォークにはクルマ用パーツを組み合わせたオリジナルのエアサスをセット。既製品では余計な物が多く、高さの制限があるためワンメイクした箇所だ。また、このバガーのフェアリングやタンクを始めとした造形である。オリジナルで製作したこれら外装パーツが混然一体となったそれは、うねるようなグルーブ感を創出。『魅せるカスタム』の本領をいかんなく発揮している。

ロッカーカバーの赤いライン。敢えてCVOモデルのシンボルを残したマシンを前に、自身もバガーに乗る氏から、その魅力を尋ねないのはナンセンスだろう。

「バガーの魅力は、まず目立ちますよね（笑）。もちろんそれだけでなく、しっかり作ることによって通常のツーリングモデルのバイクと一緒にどこまでも走れますし。非常に魅力的なバイクだと思いますよ」

FRONT FAIRING

フェアリングはカスタムペイントを依頼するショップで一品製作。フォークもエアサス仕様のオリジナル。

FRONT WHEEL

市販の最大サイズとなる30インチのビレットホイールを装着。キャリパーも同じくPM製でデュアルマウント。

ENGINE

‘19年式CVOモデルのシンボルとなる赤いラインの入ったエンジン。マフラーはフリーダムパフォーマンス製。

SHIFT CONTROL

フットボードや操作系、プライマリーカバーなどはアレンネスのビレットパーツで統一。ゴージャスさを増長。

SIDE BAG

バガースタイルに欠かせないサイドバッグはスピードバイデザイン製。シートは宮城県のジミードープが担当。

REAR END

リアフェンダーとサイドバッグを密につなぐ造形はオリジナル。パーツ単体ではなく一体感で美を披露する。