H-D FLH 1981
DRAG ON
一歩引いて仕える
頼みのシュガーオンミー
4速フレームをベースに、ストンと極限まで車高を落とした’81年式FLH。リジッドバーの装着でローハイトにしたシルエットは、チョッパーというよりストリートドラッガーの様相を呈したものだ。そこで早速、製作した『ドラッグオン』の現場で腕を振るう速水唯(ゆい)さんに話を聞いた。
「特別なテーマというのはなかった。お客さんの付けたいもの、やりたいことを聞いてそれを具現化していったバイクです。前のカタチの時のクラッチが手クラッチだったんですけど、それを足にしたいということでその辺から変えてます」
元々あったカスタム車に手を加えたモディファイバージョンである。セルスタートからキックスタートへとスイッチし、タンクも分割タイプからヴィンテージのハマータンクへ姿を変えている。そしてそのほとんどのパーツは、オーナー自らが集めて持ち込んだものだ。
では、フロント周りのディテイルから目を向けよう。まずフォークは、Vツイン製の35mmレプリカを使い2インチローダウン。ハンドルには希少なフランダース製ドラッグバーを合わせている。またヘッドライトはサイドステー共に持ち込みのパーツで、ボトムマウントにはない表情を形成。たかがサイドステーと捉えがちな部位だが、その印象の変化はなかなかのものだ。
ホイールは前後21/18インチの王道的セットアップだが、リム幅に3.0という、最近では入手しにくいワイズを採用している点も興味深い。たまたま在庫していたパーツから引っ張ってきたそうだが、この辺の掘り出し物のストックがこの道30年の老舗の利点だろう。
次にリア周りだが、フェンダーは汎用品で、ローハイトのフォルムを構築するカギとなったパウコ製リジッドバーに注視したい。通常、上下2本のスタッドでバーを固定する訳だが、今回は俗に言う『海外パーツあるある』で穴径の精度が出ていなかったためにスタッドをワンメイク。それに合わせて、可能な限りバーを車体に近付けて装着出来るよう設計し直している。
「なんだろう、でもタンクをイチから作りました的なのは無いですよ。作ったのはシーシーバーとフットステップぐらいで、持ち込まれたパーツを確実に取り付けていった感じです」
オーナー個々のイメージに寄り添い、それを否定することなく、描いた地図の具現に力を尽くす。横から余計な口を挟まないのは、カスタムの享楽を知るビルダーゆえのおもてなしである。
HARLEY-DAVIDSON FLH 1981 DETAIL WORK
FRONT FORK
Vツイン製レプリカの35mmフォークを2インチローダウン。持ち込みのヘッドライトはサイドマウント。
GAS TANK
タンクはヴィンテージのハマータンクを選択。アイコンのバー&シールドロゴには塗装でなくステッカーを使用。
HAND SHIFT
当初はハンドクラッチ&フットシフトだったものを、Vツイン製パーツでフットクラッチ&ハンドシフト化。
OPEN CHAIN
見た目もリスクもハードなオープンチェーン仕様。強度を確保したフットステップのステーはワンオフで製作。
SISSY BAR
基本的に今回は持ち込みパーツの取り付けに専念するが、シッシーバーはゆるやかなアーチ状でワンオフした。
CATCH TANK
ブリーザーからのオイルミストが多いことでアルミでブリーザーキャッチタンクを製作。フレームに固定する。
BUILDER’S VOICE
DRAG ON
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