YAMAHA SR400
CANDY MOTORCYCLE LABORATORY
日独伊がまた結び付く
片持ちのアルマゲドン
片持ちスイングアームのカフェレーサー。神奈川県海老名の、技巧派で鳴らしたカスタム屋のクラッシュホットなSR400。さて、伝えたいことはうんとある。ここで、可能な限りビルダー中村さんの熱量を代弁していきたい。
まず、ホイールありきである。片持ちスイングアームで、どうしてもキャストではなくスポークホイールを付けたいということで伊国ボラーニ製を選択。そしてスイングアームにはドゥカティ・ハイパーモタード用を選び、特徴的なリアエンドが形成された。
「キャストだとハイパフォーマンス的要素が強くなってしまうので、スポークホイールで雰囲気を出したかった。あとはやっぱり、片持ちのスイングアームを取り付けるのが大変でしたかね」
当然そのままの寸法ではSRのフレームにスイングアームは収まらない。そこでフレームのピボット部分を全て作り直してセットイン。シートレール周りもこなれたパイプワークでクリエイトされ、モノサス化したサスペンションの上下受け口も機能性を損なうことない構造で設置。スタイリングの見栄えばかりに目が行くが、この辺の配慮こそが一級のカスタム屋たるゆえんだろう。
フロントフォークは、スーパーバイクのドゥカティ1098用の純正倒立を採用。車高を抑えたかったため、デザイン性と合わせて吟味したチョイスである。もちろんポン付けで装着出来るはずもなく、イチからステムシャフトを製作し、トップブリッジもモトガジェット製メーターを埋め込んで狙ったカスタム感を表現するためにワンオフ。ビルダー曰く、「純正っぽさが凄く残る箇所だった」ことでの化粧直し的パートだ。
タンクはどうだろう。ベースはBMWのR100Rで、下側をSRの車体に合うように短くチョップして成形。えぐられてる形状や全体の雰囲気に惹かれて、その印象を活かして装着している。一方、相方のペインター横山さんの、そうした作り手の意図を汲んだシンプルな塗装もまた素敵だ。素材の旨味を引き出す裏方に徹した仕事は、決して乱れないリズム隊のベーシストを思わす安心感がある。
そして、ステンレスで仕上げたマフラー。消音器の設置は絶対で、片持ちのスポークホイールを隠すデザインにはしたくなかったことから、出っ張らず極力車体に寄れるオーバル型で創作し、消音のタイコは車体下に配置。「最後の最後まで凄く悩みましたね」、と言う集大成は、悪寒が走るほどこれ以上ない場所でピシリと同化している。
YAMAHA SR400 DETAIL WORK
FRONT FORK
車高が高くならないようにドゥカティ1098の純正倒立を装着。ステムシャフトとトップブリッジはワンオフ。
GAS TANK
BMW製R100Rのタンクを使い下側をカット。えぐり部分をそのまま使い、造形を引き立たすため単色で塗装。
SPROCKET
スイングアーム装着に合わせてチェーンラインを外側いっぱいにオフセット。それに合わせてカバーもリメイク。
REAR END
見せ場となるモノサス化したリアエンド。最後まで悩んだマフラーは車体に沿ったデザインでステンで製作。
SWINGARM
片持ちスイングアームをテーマにドゥカティ・ハイパーモタード用をセット。フレームピボット部分をリメイク。
REAR WHEEL
キャストホイールを嫌い伊国ボラーニ製のスポークを選択。フロントもリア同様に17インチを採用する。
BUILDER’S VOICE
CANDY MOTORCYCLE LABORATORY
住所 | 神奈川県海老名市門沢橋2-1-8 |
---|---|
電話 | 046-239-3052 |
SHOP | CANDY MOTORCYCLE LABORATORYのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 20:00 |
定休日 | 無休 |