HARLEY-DAVIDSON EVOLUTION 1986
SHIUN CRAFT WORKS
こじらせない
純朴のビューティー
「まあ自分の好きなように作った、シンプルでよく走るフリスコですね。あとこの手のバイクを作る時は見せ場なんて特にないです。余計なことをしないのが一番カッコいいと思ってるんで。『ここ見てください』みたいなのがある方がカッコ悪いですね」
下手に手を加えずささっとシンプルに作る。主宰の松村さん曰く、逆にやらない方がカッコいいというコンセプトのもと仕上げた86年式のEVOリジッド。
エンジン以外はほぼ新品パーツで形成したこのチョッパーは、横から見た時の全体の三角形のラインを始め、ハンドルの高さやタンクの角度、リアフェンダーの長さといったディテイルの集大成からなるシルエットに留意して製作。パーツ個々の作りではなく、あくまで全体像が一番重要だと氏は話す。
では、そのワンフォーオール的手法を支える各ディテイルを見ていこう。まずフォークだが、これはツインカム用デュースの41φを使用したもので、いわゆるショベル時代のFLHに比べて4インチオーバーのサイジング。当時のFLの雰囲気が出ていて好んで使うパーツだそうだ。
一方、三つ又やハンドル周りも奇をてらわず、既製品をそつなく装着。しかしミッドコントロールはポン付けとはいかず、オープンプライマリーの内部を貫通させるなどの加工が入るが、見た目の『やりました感』はごくわずか。この、既製品と同じテンションで並ぶ姿がなんとも心にくい。また、ヴィンテージマグ風のリアホイールは、ツインカム純正のツアラー用を流用したパートで、自身が描いたチョッパー像に首尾よくマッチする。
リアフェンダーに関しても数千円で普通に買える5インチタイプだが、フェンダーステーのマウント部分がセンセーショナルだ。聞けば、二点留めとしたこの部分にタイダウンをかけてバイクを中空から吊るしても問題ない強度を確保していると言う。
「うちのバイクは全部そう。特別なことはしてないです。まあマウント側もフェンダーに溶接して8mmぐらいのボルト2本で留めてます。でもこれ、下手したら6mmぐらいのボルトで留めてる人もたまにいますよね。それだと強度は出ませんよ」
部品の大きさと重さに合った太さのボルトを使うのは当たり前のこと。でも、そんな初歩的なことすら出来ていない人が多いと氏はこぼす。特別なことは何ひとつなく、当たり前のことをしているだけ。今回話を聞いた中で数回発せられたフレーズであり、それが氏の、曇りのない声である。
HARLEY-DAVIDSON EVOLUTION 1986 DETAIL WORK
HANDLE
パウコ製7インチライザーにシウンオリジナルのドラッグバーを装着。三つ又はCCIのナローグライドタイプ。
FRONT FORK
ツインカムデュース用41φは、昔のFLっぽいデザインに惹かれて好んで使用。ブーツカバーのみラバーに変更。
GAS TANK
既製のスポーツタンクのガスキャップとコック位置を修正。フリスコスタイルの典型的マナーを踏襲する。
OPEN PRIMARY
3インチオープンにワンオフのミッドコントロールを合わせる。ステップとペダルのみ4速ショベル用を使う。
MUFFLER
シンプルイズベストを地でゆくスタイル。マフラーは定番のスラッシュカットで、ツアラー用ホイールを採用。
REAR FENDER
ステーは約8mmのボルト2本留めとし、マウント側もフェンダーに溶接。テールは定石通りのルーカスタイプ。
BUILDER’S VOICE
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