TRIUMPH BONNEVILLE 2007
HEIWA MOTORCYCLE
単色できらめく
背負いの大和魂
愛すべき広島を拠点に、世界で活躍する平和モーターサイクルのブランニューである。ベースは2007年式ボンネビル。なじみ深い旧車ではなく現行モデルのフルスクラッチは、ビルダー木村さんにしてもきっと珍しい一台だったであろうと話を振ってみた。
「実はそうでもないんです。これぐらいの年式だったらW650にしてもSRにしてもやってますんで。だけどオーナーはやっぱり旧車が好きみたいで、遠出もしたいし壊れないバイクっていう希望だったんですね。それで、だったら現行車かなと」
現行カスタムだからといって、旧車と比べて難しいことはなかったそうだが、しいて挙げるならデザイン的な部分である。当時のエンジン造形などの魅力にはどうしても及ばず、そこに少しでも近づけられるよう全体をネオレトロな雰囲気とするのに苦労したそうだ。
「前後タイヤはリアを18インチに換えて、フォークはノーマルを5cmぐらいローダウンしてる。タンクは若干レーシーなイメージということだったけど、そもそもはお客さんがシートカウルをこういう風にして欲しいっていうので、それに合わせてる」
どうやらシートカウルありきでカスタムは進められたそうだ。まずは、そのレーシーなスピードフォルムに合わせてシートレールを加工。ノーマルの気持ちケツ上がりのレールラインをカットし、わずかに後方の下がったラインへと修正して、それと同じベクトルでシートを下げ目で設置。タンクもカウルに合わせて成形したセクションだ。
タンクとシートカウルという主要なアウトラインが決まったら、次はマフラーである。『ネオレトロなスピードフォルム』という固有の指針に向かって、氏は左右出しのアップタイプのレイアウトを選択。狙いどおりのレーシーなテイストを獲得している。
「他は、そんなに手の込んだことはしてないです。このリアブレーキのマスターもノーマルの位置ですし。まあ元々ここに大きいカバーが付いてたのを外してチェーンカバーを付けてるんで、それがなんか特別なことをしてるように見えるんでしょうね」
同店では比較的手数を抑えた部類に入るとはいえ、真骨頂である作り込みは健在。そして、大変だった箇所を尋ねると。
「うーん……(笑)。まあ実際イチから作ってるところはあるけど、大変だったというか時間がかかったという感じですよね」。大変ではなく、時間がかかった。この辺の言葉のすり替えに、世界で勝負する男の気高さがある。
TRIUMPH BONNEVILLE 2007 DETAIL WORK
HANDLE
トライアンフの刻印が入るノーマルライザーに、平和オリジナルのドラッグバーを装着したハンドル周り。
GAS TANK
トップに起伏をもたせたワンオフのガスタンクはシートカウルに合わせて成形。渋味のあるグレーで塗装。
MASTER CYLINDER
マスター位置はノーマルで、サブタンクのみわずかに移動。カバーを外しワンオフのチェーンカバーをセット。
MUFFLER
左右出しマフラーはイチから製作。排気を微妙に外へ向けたデザインゆえ、完成には時間がかかったと言う。
SEAT COWL
お客さんの要望に応じたシートカウル。レーシーな雰囲気を持たせ、それに合わせて他の外装パーツを創作。
REAR END
リアショックは4cmダウンの社外品。ストックのパーツを有効活用しつつ大幅にイメージを変えたディテイル。
BUILDER’S VOICE
HEIWA MOTORCYCLE
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