H-D AERMACCHI SPRINT H 1966
SPEEDBUGGY MOTORCYCLE SERVICE
小排気量ハーレーへの
女性からの逆アプローチ
過去に、ハーレーダビッドソン社が販売した小排気量モデルがこのアエルマッキである。ざくっと説明すると、アエルマッキは元々イタリアの航空機メーカーで、第二次世界大戦後にバイク製造を開始。そして1974年にハーレー社の完全子会社となるものの、1978年には再度イタリアのカジバ社に買収されたメーカーだ。
そして、母体が航空機製造業という珍しい出自を持ったこの車種をフェイバリットに挙げたショップが、神奈川のスピードバギー。土っぽいスクランブラースタイルに身を固め、モトクロスやキャンプツーリングなど、バイクを通じた遊びに全力なショップだ。
「オーナーは女性ですよ。オートバイ自体が初めてで、飛行機がすごい好きみたいで。だから逆アプローチというか(笑)。最初はアエルマッキが欲しいってメールが来たんで、『オオ!』なんて思ってて」
彼女は、バイクではなく飛行機から関心を持ち、アエルマッキがバイクも作っているのを知ったそうだ。そしてそのまま調べていき、岩田さんのショップにたどり着いたと言う。
「飛行機が好きというので、なるべくそうしたカラーリングというかシルバーを入れたかった。コンセプトはそんな感じですね。あと女性ですから乗りやすくとは考えています」
基本的にお任せで受けたオーダーは他に、ハンドルとタイヤを換えればダートも走れるようなセットアップにしてあるとのこと。この辺は同店の、『バイクで遊ぼう!』というショップカラーを反映したポイントだろう。
車体を見れば、ホイールはノーマルの前後18インチからホンダXL系の21/18インチに変更。フォークも30φから32φに換えてわずかに太く、長くすることで印象を変えている。また、ヘッドライトやハンドルはメーカー不明の物を利用するが、ワッセルのリアフェンダーやコブラシートの選択でほんのりとチョッパー感を演出しているのもまた面白い。
「ウチはもうちょっとブロックタイヤとかの方が多いとは思うんですけど、まあこの雰囲気で少しチョッパー感も出したいなと。コブラシートとかはそういうので合わせてます」
女性がオーナーのため跨った時のシルエットにも配慮し、コンパクトな車体に合わせて最適な車高がどこかを詰めていったそうだ。また、車体の色分けも難問のひとつだったが、飛行機の金属的な要素をうまく溶け込ませて完遂。『女性』と『飛行機』というトリッキーな問題に痛打を浴びせた、趣味のいい模範解答である。
H-D AERMACCHI SPRINT H 1966 DETAIL WORK
HANDLE
手前に絶妙な角度で曲がるハンドルは店にあった物を有効活用。女性でも操作性に何ら問題のないポジション。
FRONT FORK
フロントフォークはノーマルの30φからセリアーニ32φへ変更。ドラムブレーキは’80年代のホンダXL250R製。
GAS TANK
ガスタンクは純正。カラーリングは飛行機好きのオーナーをイメージして塗装。特に色分けに苦慮したそうだ。
SEAT
わずかにチョッパー感を出したかったことからシートはコブラタイプを装着。フレームはレッドカラーで統一。
REAR END
フレームは無加工で塗装でイメージチェンジ。ワッセル製リアフェンダーにヤマハ製のテールライトをセット。
REAR WHEEL
リアホイールは純正をそのまま使用。マフラーは鉄でワンオフ。フレームカラーが女性オーナーによく似合う。
BUILDER’S VOICE
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