HARLEY-DAVIDSON XLH883 2003
HEI CHOP SHOP
本音が駆ける
正面突破のジャスティス
店主の平生さんは、いつも通りのみなぎるエナジーで迎えてくれた。しかも、数日前にインフルエンザにかかったばかりの病み上がりとは思えない自然さである。ものものしいマスクさえ無ければ、誰も悪名高いウイルスにやられた手負いの状態とは気付かないだろう。つまりはこの男、それほどに活力が弾けている。
「これはオーナーさんがカフェスタイルにしてくれってことだった。あとはセパハンとバックステップが譲れないということだったんで、それを押さえて製作してます」
チョッパーの印象が強い同店だが、この手のスタイルも得意分野。全体のバランスに気を配り、日本というよりは海外のマシンに寄せたカフェスタイルだそうだ。が、いまいちその意味が分からなかったので聞き返すと、あんまり細かくないざっくりな雰囲気(=海外のマシン)、とのこと。なんとも、『らしい』、うまい表現である。
「大変だったところは無かったです。大変なことをやるのが嫌なんで。だから自分としては作りやすかったかな、タンクもイメージ通りには作れたと思います」
そして、15インチのショックを付けてカチ上げたリアエンドが今回のカギとなる。横から見れば、地面と平行に、エンジンを中心として各部がギュッと凝縮しているのが分かるだろう。これこそが氏の狙ったプロポーションだ。
「全体のバランスですかね。タンクから後方に向かって流れるようなライン、流れてないかもしれないですけどそういう感じにしたかったんで」
リアのロングサスに影響してくる部分は調整。シートレイル後端のループフレームに角度を付けているのもそのためだ。一方、オーナーが死守するセパハンとバックステップはどうだろう。
「セパハンはドラッグスペシャリティーズかどこかの。ステップはワンオフで、結構取り回しが大変だったんですけどそれは僕がものぐさだから。作りたくなかったから大変なだけで、作業自体は特別作り込まないから大変ではないんです」
裏表が無い分、氏の返答を予想するのは困難だ。でも、本音のトークがこれほどまで痛快だったとは若干忘れていた感覚でもある。
「オーナーが派手すぎるのが嫌だって言うんですけど、シック過ぎるのもつまらんと思ってちょうど良いところを提案した。それをペインターさんがうまく表現してくれたかな」
落としどころの巧い海外寄りのカフェスタイル。ヘイチョップショップの鮮やかな一手がきまる。
HARLEY-DAVIDSON XLH883 2003 DETAIL WORK
TOOL BAG
ホースハイドのオリジナルのツールバッグは3万円(税込)。裏地には光沢のある高級繊維のキュプラを採用。
HANDLE
オーナーたっての希望でハンドルは社外のセパハンを装着。やる気の前傾ポジションを生むオーソドックス。
SWITCH
スイッチやスピードメーターは左サイドに移設。イメージした造形へと、作り込まず淡々と作業は進められる。
BACK STEP
ブラックのチヂミ塗装を施したステーやプレートはワンオフで製作。リンケージもそつなく取りまわしている。
MUFFLER
マフラーは2イン1のエンドだけカチ上げたスラッシュカット。マスターもステップ類に違和感なく溶け込ます。
REAR END
タンクからの流れを受けてソロシートをワンメイク。ループフレームもその流れに逆らわず後端をアップする。
BUILDER’S VOICE
HEI CHOP SHOP
住所 | 愛知県高浜市沢渡町2-6-2 |
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電話 | 0566-91-9505 |
FAX | 0566-91-9505 |
SHOP | HEI CHOP SHOPのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 水曜日、第1・3木曜日 |