HARLEY-DAVIDSON FL 1966
SURE SHOT
緻密にもぎとる
技巧のスナイパー
「まず全体のバランスが美しいこと。かつディティールに隙がないこと、っていうのは絶対ですね。今回はナロースタイルにしたので、全体の幅をエンジン幅ぐらいに収めてる。まあキャブだったりステップはどうしてもその枠から出てしまってますけど」
徹底した作り込みに加えて、研ぎ澄ました『デザイン』が武器になるシュアショットのアワードマシン。昨年のホットロッドカスタムショー2017で、国内外合わせて3つのピックを奪取した世界水準の一台だ。
今回は得意のデザイン力を発揮したボディシェイプに、3つの見せ場が用意された。まず1つ目は、VLフォークがベースのフロント周りである。
見ての通り、可能な限り狭めたフォーク幅に、トップにガスショックを用いたスタイリングが光彩を放つ。これは、本来左右で8つあるスプリングを2つで機能するようにモディファイしたもので、見た目と乗り心地の双方を踏まえた設計だ。
「もともとはダンパーが付いてるんですけど、みんなカスタムするときはシンプルにしようと外しちゃうんですよ。でもそれだと、コーナリングの時なんかフロントが暴れちゃってどうしようもない。それでこのガスショックを付けて対処してるんです」
2つ目は、フレームダウンチューブのナローウィッシュボーンだ。「地味にナロードしてる」、と代表の相川さんが言うそこは、よく見ればアイアンスポーツと同じレベルにまで狭められている脅威のセクション。フロントフォーク幅に合わせてデザインし、下部の鋳物周りもすべてリメイク。ナロースタイルを突き詰めた結果が、クレイジーなまでのプロポーションを生んでいる。
そして最後に、タンクシフトだ。タンクサイドでは飽き足らず、どうせやるならタンクの中に埋め込んでしまおうと、左右1:2の分割タンク内に挿入。エンジンマウントにリンケージの主軸を作り、あとは何食わぬ顔で可動。そもそもの発想もそうだが、真ん中ではなく敢えて1:2とオフセットした位置にマウントするデザインや、アルミカバーのアクセントなど、一事が万事、もはやお手上げである。
傾向と対策。最初からアワードを獲りにいったマシンだそうだ。そこでまず山を張ったのは、『アルミ』と『ツインキャブ』。近年のトレンドから予測したポイントを押さえた上で、最後は、シュアショットらしく。腕に覚えのあるショップの本気は、こうも鮮やかに勝利をたぐり寄せてしまう。
HARLEY-DAVIDSON FL 1966 DETAIL WORK
HANDLE
鋳物専科のFORK製バーとライザーはフロント周りに合わせてナロード。操作性の高いハンドル周りを形成。
FRONT FORK
VLフォークをナロード。ガスショックを用いて8つから2つのスプリングに減らして可動。性能も確保する。
GAS TANK
真ん中に比べて難易度の上がる1:2に分割したガスタンク。埋め込んだシフト周りはアルミプレートでカバード。
ENGINE
エンジンにリンカートDC10を2基掛け。キャブボディの穴加工とシャフトの作り直しで左右対称にセット。
MUFFLER
アイキャッチにもなるリアのとぐろ形状は前後マフラーの等長も考慮した部位。塗装はシックなセラコート。
REAR FENDER
18インチ×4.5の幅広タイヤと僅かなクリアランスでバランスするフェンダー。ステーの造形にも抜かりはない。
BUILDER’S VOICE
SURE SHOT
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