HARLEY-DAVIDSON FXE 1979
GRASS HOPPER MOTOR CYCLE
駆け上がる
ダンスウィズウルブズ
どちらかというとエンジンワーク寄りのショップ。いや、ちまたの評判の高さを加味すれば、『寄り』どころかど真ん中と言ってもいいだろう。グラスホッパー。茨城を拠点に暗躍する、内燃機に魅せられた店主が高質なステップを踏むシェルターだ。
こちらは、今年の2017ホットロッドカスタムショーに出展したリジッドショベル。得意技はエンジンワークでありながら、カスタムも軽やかにこなす跳躍力が自慢。その秘めたる力量がくっきりと浮き彫りになっている。
「フォークはダサいのを使いたくなかったんで、当時のデンバー製に倣って作ってます。値段が高騰してるのもあるし、汚かったりメッキかける手間を考えたら作っちゃった方が早いなと」
そんなに複雑なものではないからワンオフしたと山田さんはサラっと言う。バネはあった物を流用しシャフトは社外製を、それ以外はレーザーカット屋さんに材料を持ち込んで切ってもらったそうだ。あとはただそれをくっ付けただけだと、氏はあたかも簡単そうに言ってのけるが、フォーク内に入るブッシュ加工といった精緻な作業工程を忘れてはいけない。そのイージーなトークを額面通りに受け取ったら痛い目を見る。
「タンクとマフラーはちょっと変わった感じに作った。オーナーは何も言ってなかったけど、どうしてもタンクを丸くしてフレームから浮いてる感じにしたかった。そのために勝手にステーをワンオフで作ったり」
一方マフラーは、ホットロッドで見られる左右出っぱなしのレイクスタイルヘダースと呼ばれる造形をモチーフに制作。更にフレームは、大幅なモディファイを加えずネック周りをモールディングして、メインとダウンチューブをつなぐ補強パイプをカット。これはネックをストレッチさせたかの視覚的効果を狙ってのものだ。
また、当然エンジンはビシッと男前に仕上げ、いつでも火が入れられるコンディションを維持。当初ハイカムが入っていたものを、1200ccのフルストックに戻して調律している。しかしことエンジンの話題になると多くを語らないあたりに、それを生業にする人特有の美学が垣間見れた。
今一度見てほしい。フォークはダサいのを付けたくない一心でワンオフし、タンクやマフラーにも回し蹴り的な不意をつくアプローチがある。はて、かつて絶頂を極めたスタイルのオールドスクールだが、作り手によってはこうもスマートに着地する。
HARLEY-DAVIDSON FXE 1979 DETAIL WORK
FRONT FORK
現行メーカーの下手なスプリンガーは付けたくなかった。そこで当時のデンバー製をモチーフにワンメイク。
FRONT WHEEL
シンプルなハンドル周りを形成するフロントノーブレーキのスプールハブ。『潔さ』の極致的な造形である。
GAS TANK
ステーを介してタンクはフレームから浮いたようにマウント。ピンストはマックカスタムデザインが担当。
FOOT CONTROL
細かい作り物のイメージが薄い同店だがステップ周りは全てワンオフ。先端に丸玉を付けてアクセントにする。
MUFFLER
ホットロッドに造詣のある店主山田さんならではのシェイプ。レイクスタイルヘダースを参考に鉄で製作。
REAR END
汎用のリブフェンダーを使い約2cmほど詰めてセット。テールライトにはヴィンテージのロンフィンチを装着。
GRASS HOPPER MOTOR CYCLE
住所 | 茨城県水戸市杉崎町152-1 |
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電話 | 029-259-4746 |
FAX | 029-259-4746 |
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営業時間 | 10:00 ~ 20:00 |
定休日 | 水曜日 |