HARLEY-DAVIDSON FLD
VIDA MOTORCYCLE
ブラックで覚醒する
不人気車のアップホールド
現行のH-Dダイナをベースとしたハイスピードスタイルが、カスタムシーンに定着して久しい昨今。現在も過熱するその米国を中心にしたブームの炎が、国内ではまだ種火程度だった頃からこれに着目し、今まで数多くのマシンをリリースしてきたのがヴィダモーターサイクル代表の大久保氏だ。
そんな氏が今回のカスタムベースに選んだマシンは、FLD『スイッチバック』。ダイナシリーズでありながらモデル名に『FL』が冠されたモデルである。これは、ダイナの軽快さとツアラーの装備を併せ持った異色のモデルとして2012年にリリースされ、デビュー当時に賛否両論を巻き起こす。いや、正直に記せば、人気はさほど集まらなかった。事実、2016年モデルを最後にFLDは生産を終了している。
しかし、大久保氏はそのFLDに可能性を見出すことに。「高速クルーズが楽なダイナ。それでいてハードバッグなどの装備が充実していて、どっしりしたツアラー寄りの風格もある。外装を触ることなく純正を使ってもカッコ良くなる。以前手掛けたFLDでそれを実証したんで自信がありました」。
その言葉通り、外観に関しては大きなモディファイは行われていないのがお分かりいただけるだろう。しかし、である。純正のFLDを脳裏に浮かべて比較していただきたい。その『変身』は目を見張るものだ。
要因の一つが、各部に施されたブラックアウトだ。しかしただ黒く塗るだけでは済まないのがヴィダである。ソリッドの黒だけでなく、ヘッドやカムカバー、ミッションカバーなどはガンメタ、そしてクラッシュバーやバッグのフックなどはマット感が際立つホットロッド・ブラックといったあんばい。黒系3色を使い分けることで車体に生まれる妖艶なコントラストには舌を巻く。それでいてブラックではなく、あえてステンの素地を活かしたマフラーの、ゴールド焼けに外しの美学を覗かせる。
走りにも妥協がない。エンジンは106cu.in.へボアアップし、ハイカムを入れて高回転域のクルーズ性能をアップ。またFサスにハイパープロを用いてチューニングを計り、フロアボード車特有の、空気抵抗による高速域でのフロント『ぶれ』をミッドコントロール化で抑制する。
ヴィダの手により生まれ変わったFLD。全方位、『不人気車』のレッテルはもはやどこにも見当たらない。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON FLD DETAIL WORK
FRONT END
ヘッドライトはLEDバルブを採用。スモークに変更されたシールドステーはホットロッド・ブラックで染める。
HANDLE
延長加工されたポストにPRO TAPERのトラッカーバー。ナックルガードはVIDAオリジナル。グリップはRSD製。
CLASH BAR
このスタイルの定番、ブートレグ製クラッシュバー。ドリルドされた風態にマットなカラーが絶妙にマッチする。
SEAT
硬さ、座面の広さ、腰のホールド感などロングライドに適したBMC corbinのシート。ステッチはゴールドに。
MUFFLER
シートのゴールドステッチと同様に、Thrashinのエキゾーストは焼け色のゴールドを車体の黒と相対させる。
SIDE BAG
ツアラーより小ぶりで機能的なサイズのハードバッグはFLD最大の魅力。フックもホットロッドブラックに塗装。
BUILDER’S VOICE
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